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IT負債

基幹系システム「2025年の崖」を飛び越えろ

著:室脇 慶彦

紙版

内容紹介

「2025年問題」を正面からとらえ
未来につながる解決策を示す。

<本書「はじめに」より>
 基幹系システムの老朽化は日本で特に深刻だが、問題自体は米国でも指摘されている。米国ではそうした状況を「Technical debt」と呼び、日本語に訳すと「技術的負債」となる。日本はさらに悪い状況にもかかわらず、この問題を「レガシーシステム問題」として長い間放置してきた。この問題を放置していると、国際競争力の観点で重大な、もしかしたら致命的な状況を引き起こすことも十分考えられる。

 技術的負債を解決する方法として、米国企業では「マイクロサービス」による基幹系システムの再構築が進んでいる。マイクロサービスを導入すれば、DXに対応できると考えられている。

<出版社より>
 著者は長年、野村総合研究所にて大規模システムに携わっており、現在指摘されている「2025年問題」を自分の問題として取り組んでいる。その著者が米国のクラウドベンダーやユーザー企業を見てたどり着いた1つの答えが、「マイクロサービスによる基幹系システムの刷新」だ。単純に刷新するのではなく、業界共通部分はエコシステム化を提唱するなど、意欲的な内容である。

 本書では、日本企業の経営層に厳しい指摘もしている。だがそれは、期待の裏返しでもあるように思う。著者の思いが、ぜひ経営層に届いてほしい。今を生き抜くビジネスパーソンが読んでおきたい1冊だ。

目次

第1章 日本のITシステムの現状と課題
 1-1 SoEとSoR
 1-2 従来モデルの限界
 1-3 技術的負債
 1-4 DXは既に始まっている
 1-5 既存ITシステムに内在する課題
 1-6 日本企業のIT課題
 1-7 ITベンダー側の技術的負債への対応
 1-8 ITベンダー側の課題
 1-9 国が打ち出したDX 対応の考え方

第2章 今後求められるITシステム
 2-1 SoEに求められる基本要件
 2-2 SoRに求められる基本要件
 2-3 政府システムに求められる基本要件

第3章 米国で進展するIT革命の状況
 3-1 クラウドベンダーの本音
 3-2 ユーザー企業で進むマイクロサービス化

第4章 新たなアプリケーションアーキテクチャー「マイクロサービス」
 4-1 既存のアプリケーションとの違い
 4-2 マイクロサービスの圧倒的な優位性
 4-3 マイクロサービスが抱える課題と対応の方向性
 4-4 ITガバナンスのあるべき姿

第5章 日本のITシステムの大変革と企業の盛衰
 5-1 企業の盛衰を左右する経営者に求められる役割
 5-2 ITベンダーの企業経営に求められるもの

ISBN:9784296103027
出版社:日経BP
判型:4-6
ページ数:264ページ
定価:2200円(本体)
発行年月日:2019年06月
発売日:2019年06月12日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:UB