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ベートーヴェンの交響曲

理念の芸術作品への九つの道

著:マルティン・ゲック
訳:北川 千香子

紙版

内容紹介

国際的に著名な音楽学者マルティン・ゲックによる論考。単なる楽曲解説を超え、ベートーヴェンの交響曲の歴史的および思想的な背景を照らし出す、他にはない交響曲解説書。音楽学、歴史学、哲学、文学など、分野横断的で非常に多角的な観点から、分析と解釈を結び合わせ、ベートーヴェンの書いた音の「意味」や「真意」(メッセージ)について考察をめぐらせる。ベートーヴェンの交響曲全体に通底する概念や音楽的特徴を取り上げたあと、第1番から第9番までの交響曲ごとの解説が続く構成。「ゲックの著書を読んだ後には音楽が聴きたくなる――このジャンルに対するこれ以上の賛辞はない」(オーストリア・ラジオ)

目次

ベートーヴェン――交響曲作曲家の最たる者
ナポレオン・ボナパルト
管弦楽の重量感
男性性という幻想
構造
ジャン・パウル風の「山羊の足」
九つの交響曲
個別的考察へのプロローグ
無為な憶測
思想を背負ったプロローグから解放的なフィナーレへ
根源的な冒頭
元型のイメージ
一考の価値あるフガート
異彩を放つ不協和音
「間違った」出だし
奔放なティンパニ
表現を強める短縮
ベートーヴェンの《英雄》への思い入れ
境界の超越
交響曲第一番から第九番まで
交響曲第一番 ハ長調 作品21 
交響曲第二番 ニ長調 作品36
交響曲第三番 変ホ長調 作品55《英雄》
交響曲第四番 変ロ長調 作品60 
交響曲第五番 ハ短調 作品67 
交響曲第六番 ヘ長調 作品68《田園》 
交響曲第七番 イ長調 作品92 
交響曲第八番 ヘ長調 作品93 
交響曲第九番 ニ短調 作品125
訳者あとがき
注/人名索引

著者略歴

訳:北川 千香子
慶應義塾大学准教授。専門は演劇・オペラ研究。広島大学、テュービンゲン大学、ウィーン大学、ベルリン自由大学で演劇学、ドイツ文学、音楽学を専攻。研究テーマは主にワーグナー、現代音楽劇、現代演出。2013年にベルリン自由大学演劇学研究所で博士号取得。著書に『クンドリー試論:象徴の諸断面』(Peter Lang, 2015)、共訳書にマルティン・ゲック著『ワーグナー』(上下巻)(岩波書店、2013/2014)他がある。

ISBN:9784276131262
出版社:音楽之友社
判型:A5
ページ数:176ページ
定価:3200円(本体)
発行年月日:2017年09月
発売日:2017年09月25日
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