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フーガとソナタ

音楽の2つの文化について

著:アウグスト ハルム
訳:西田 紘子
訳:堀 朋平

紙版

内容紹介

西洋芸術音楽の主要形式「フーガ」と「ソナタ」の性格の違いを、J.S.バッハとベートーヴェンの作品を中心に考察した、類を見ない著作。2つの形式が止揚されたものとしてブルックナーを位置づけている点もユニーク。豊富な事例を通じ、ひとくちに「主題」と括られるものにひそむ多様な生命を、情熱的な筆致で浮き彫りにする。

目次

日本語版のための凡例
導入部
第1書 形式について
第1章 フーガ形式、その本質とソナタ形式との関係について
Ⅰ.
Ⅱ.
Ⅲ.
Ⅳ.
第2章 ソナタ形式の精神について
第1節 ベートーヴェンのピアノ・ソナタ ニ短調 op.31〔-2〕、第1楽章(音楽分析と音楽文芸欄)
第2節 和声のエコノミー
A.ベートーヴェンの田園交響曲〔op.68〕第1楽章における展開部
B.和声の高揚
第3章 構造的な和声法とリズム法
第4章 主題の態度
第1書の終わり
第2書 言語と様式について
第1章 リズム法と強弱法
第2章 シンメトリー
第3章 主題法の技法
Ⅰ.
A.諸関係の循環
B.内容と意志
Ⅱ.
結語と展望
解題

著者略歴

著:アウグスト ハルム
August Otto Halm(1869-1929)は、音楽教育に尽力したドイツの作曲家・思想家。T.W.アドルノに「屈辱的なほど忘れられている」と評されたハルムの音楽思想は、近年、再評価が著しい。本書は、音楽外的な比喩を排し、音そのものが孕む力や、エネルギーのせめぎ合いのドラマとして楽曲の流れを捉える主著であり、初の日本語訳である。

訳:西田 紘子
千葉県生まれ。九州大学大学院芸術工学研究院助教。ロータリー財団奨学金を得て2005年より2年間、ウィーン国立音楽大学博士課程で音楽理論・美学を学ぶ。2009年、東京藝術大学大学院音楽研究科博士後期課程(音楽学専攻)修了。博士(音楽学)。欧米の音楽理論や音楽美学を専門領域としつつ、クラシック音楽の演奏分析や日本のオーケストラ研究も進めている。共訳書にシェンカー『ベートーヴェンのピアノ・ソナタ』シリーズ(音楽之友社)など。

訳:堀 朋平
神奈川県生まれ。国立音楽大学・西南学院大学ほか講師。日本学術振興会特別研究員を経て2013年、東京大学大学院人文社会系研究科博士後期課程修了。博士(文学)。学際的な音楽研究を志す。共著『バッハ キーワード事典』(春秋社、2012年)。訳書にヒンリヒセン『フランツ・シューベルト』(アルテスパブリッシング、2017年)など。著書『〈フランツ・シューベルト〉の誕生――喪失と再生のオデュッセイ』(法政大学出版局、2016年)。

ISBN:9784276105553
出版社:音楽之友社
判型:A5
ページ数:176ページ
定価:2200円(本体)
発行年月日:2017年06月
発売日:2017年06月12日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:AVA