内容紹介

｢人の苦しみを和らげるために、思いやりをもって行動することが、無限の喜びを生み出すのです。」
ダライ･ラマによる、仏教の知恵のことばのひとつひとつが心に深く強く響く。本書は、フランス語の書籍『108 perles de sagesse du DALAÏ-LAMA　　pour parvenir à la sérénité』 の日本語訳書。
ダライ・ラマ14世（1935～）は、チベット仏教の最高指導者として世界的に知られる。ノーベル平和賞受賞者。1959 年チベットから亡命したが、民族の精神的支柱としてまた政治的リーダーとして活動。彼の非暴力を貫く姿勢が評価され、1989 年ノーベル平和賞を授与された。2011 年、チベット亡命政府の政治ポストからの引退を表明。本書は、優れた仏教学者・密教学者であり、国際的な政治家、そして一民族の精神性の象徴であるダライ･ラマというたぐいまれな人物と、フランス人女性ジャーナリスト、カトリーヌ・バリが直接親交を結ぶなかで生まれたもの。バリ編集による、ダライ･ラマの知恵のエッセンスである。カトリーヌ・バリは、仏教に造詣が深く、1997年から2007年までフランスのテレビ局「France 2（フランス･ドゥー）」の番組「仏教徒の声」の案内役として、人気を集めた。この番組が縁で、ダライ・ラマ14世と知己を得、インタビュー等を通じてその人間性と思想に深く共鳴し、本書の編纂に至った。
"無縁社会"ともいわれる現代、心の不安をかかえる人は膨大にいる。2011年3月、東北大震災を経験した日本では、その不安が極度に大きくなっている。良識と実践的な知恵にあふれるダライ・ラマの教えは、人々をやさしく、あたたかく包み込み、生きていく希望を持たせてくれるだろう。