出版社を探す

研究双書 537

インドネシアの経済再編

構造・制度・アクター

編:佐藤 百合

紙版

内容紹介

通貨危機と権威主義体制の崩壊を受けて混迷するインドネシア。経済の市場化、民主化に向けた「制度改革の実験」はどこまで成功したのか。再編期を読み解くインドネシア経済論。

目次

まえがき

総論 インドネシアの経済再編-構造・制度・アクター / 佐藤 百合
 第1節 本書の目的
 第2節 危機前後のインドネシア経済
 第3節 本書の分析アプローチと分析課題
 第4節 本書の分析結果
 第5節 本書の意義と残された課題

第1章 国際的生産・流通ネットワークとインドネシア / 木村 福成
 はじめに
 第1節 近隣諸国の経済発展
 第2節 インドネシアの工業化の現状
 第3節 ポスト・スハルト時代の開発戦略の展望
 おわりに

第2章 インドネシア経済の構造変化と工業化の到達点-1985~2000年の産業連関分析 / 林 光洋
 はじめに
 第1節 インドネシアの経済発展-高成長、経済危機そしてポスト・スハルト期
 第2節 インドネシアの産業・貿易構造変化
 第3節 産業の成長要因変化
 第4節 工業化の到達点と今後の課題
 付録 成長要因分解式の説明

第3章 経済法制度の改革と実効性 / ヒクマハント・ジュワナ(佐藤 百合 訳)
 はじめに
 第1節 改革のための立法政策
 第2節 破産法の改定とその影響
 第3節 競争法の制定とその影響
 おわりに

第4章 銀行再編と金融制度改革 / 佐藤 百合
 はじめに
 第1節 危機を境にした銀行部門の構造変化
 第2節 危機前の主要アクターと銀行制度
 第3節 危機後のアクター再編と金融制度改革
 第4節 個別銀行の経営改革
 むすび-銀行部門の制度改革をどう評価するか

第5章 企業ガバナンス改革と企業の所有経営 / 佐藤百合
 はじめに
 第1節 インドネシアの上場企業と証券市場
 第2節 経済危機と企業ガバナンス改革
 第3節 企業の所有経営構造と企業パフォーマンス
 第4節 所有経営の実態と企業ガバナンス改革の有効性

第6章 BULOG公社化の背景と特質-食糧部門における制度改革 / 米倉 等
 はじめに
 第1節 BULOG改革の背景とその課題
 第2節 BULOG改革の推移と特徴
 第3節 公社移行の決定過程と事業構想
 第4節 公社化直後の実態
 第5節 制度改革の特質と課題
 むすび

第7章 林業改革と資源レント配分の変化 / 加藤 学
 はじめに
 第1節 分析のフレームワーク-レントとインセンティブ
 第2節 森林資源利用産業の発展と森林破壊
 第3節 林業部門の制度改革
 第4節 資源レント配分の変化
 むすび

第8章 地方分権化後の地方経済とアクター-問われる地方政府の能力 / 松井 和久
 はじめに
 第1節 地方分権化前後の地方経済における定量的変化
 第2節 地方分権化前後の地方経済における定性的変化
 おわりに-地方経済開発へ向けての地方政府の能力

第9章 労働者組織の台頭と労使関係制度の展開-インドネシアにおける安定的な労使関係の成立に関する事例研究 / 水野 広祐
 はじめに
 第1節 労働組合と使用者団体
 第2節 労使紛争事例の概況
 第3節 労使関係のルール・戦略と労使関係安定化
 むすび

略語一覧

索引

著者略歴

編:佐藤 百合
佐藤 百合 アジア経済研究所地域研究センター東南アジアⅠ研究グループ長
木村 福成 慶應義塾大学経済学部教授
林 光洋  名古屋学院大学経営学部助教授
ヒクマハント・ジュワナ インドネシア大学法学部教授
米倉 等  東北大学大学院農学研究科教授
加藤 学  アジア経済研究所地域研究センター東南アジア研究Ⅰグループ研究員
松井 和久 アジア経済研究所地域研究センター参事
水野 広祐 京都大学東南アジア研究センター教授

ISBN:9784258045372
出版社:アジア経済研究所
判型:A5
ページ数:444ページ
定価:4700円(本体)
発行年月日:2004年10月
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KCZ