研究双書 491
メキシコの企業と工業化
著:星野 妙子
内容紹介
1980~90年代のメキシコ経済の大変貌のなかで、なぜ民族系大企業が台頭してきたのか。その成長の論理を解き明かす。
目次
はじめに
第1章 序論
第1節 問題の所在
1.なぜ企業家
2.なぜ民族系か
3.なぜ輸入代替工業化期か
第2節 メキシコ民族系企業研究の系譜
第3節 本書の課題
第2章 過当競争と企業の革新-ビール工業におけるクァウテモックの事例-
はじめに
第1節 メキシコ・ビール工業の現状
1.クァウテモックとモデロ
2.ビール工業における複専体制
第2節 ビール工業における寡占体制の形成
1.生成期:1980~1929年
2.クァウテモックの全国展開:1929~57年
3.モデロ・モクテスマの地方進出
第3節 クァウテモックの成長と革新
1.新技術の採用
2.原材料の内製化とその生産網の地理的拡大
3.流通網の形成と公告宣伝活動
4.成長の資金源
5.ヴィサの分裂とその後の事業拡張
むすびにかえて
第3章 混合経済体制と民族系企業-鉄鋼業におけるイルサとフンディドーラの事例-
はじめに
第1節 メキシコ鉄鋼業の現状と発展の歴史
1.メキシコ鉄鋼業の新自由主義的転換
2.メキシコ鉄鋼業の発展
第2節 イルサとフンディドーラの事業展開
1.イルサとフンディドーラの生産設備の拡張・近代化
2.イルサとフンディドーラの事業展開の比較
第3節 イルサの成功およびフンディドーラの失敗の要因
1.設備投資の資金源
2.技術力
3.労使関係
4.政府への依存度
むすびにかえて
第4章 伝統産業の近代的転換-製パン業におけるビンボー・グループの事例-
はじめに
第1節 ビンボー・グループ
1.ビンボー・グループの活動の概略
2.ビンボー・グループの所有者と経営者
第2節 ビンボー・グループの成長過程
1.創業者一族の系譜
2.母企業の設立およびその後の発展
第3節 ビンボー・グループの成長の諸要因
1.需要の拡大
2.ビンボー・グループの経営戦略
3.業種の技術的条件
4.伝統産業の近代的転換
むすびにかえて
第5章 民族化政策の成果と限界-非鉄金属鉱業におけるグルーポ・メヒコの事例-
はじめに
第1節 グルーポ・メヒコと鉱業の民族化
1.グルーポ・メヒコの現状
2.メキシコ鉱業の凋落と民族化
3.三大企業の民族化
第2節 ミネラ・アサルコの民族化とその後の事業展開
1.ミネラ・アサルコの民族化
2.民族化後の事業展開
第3節 鉱業民族化の成果とグルーポ・メヒコ
1.民族化後の鉱業生産の推移とグルーポ・メヒコ
2.民族化政策の成功の諸条件
むすびにかえて
第6章 産業育成政策と民族系企業-自動車部品工業におけるデスク・グループの事例-
はじめに
第1節 デスク・グループと自動車部品工業
1.デスク・グループの概要
2.メキシコの自動車部品工業
第2節 メキシコ政府の自動車産業育成政策
1.自動車部品鉱業の創設—1962年政令
2.輸出促進と国産化基準の引上げ—1972年政令
3.輸出促進と国産化率引上げの第2段階—1977年政令
第3節 デスク・グループの自動車部品部門の成長過程
1.スパイサーの前史
2.外資参入と自動車部品生産の開始—1960~64年
3.センデロス・グループの参入=メキシコ化—1964~77年
4.製品の多様化・企業規模の拡大と輸出の開始—1977~81年
むすびにかえて
第7章 結論
第1節 メキシコの工業化過程と五つの事例
1.工業化過程の時期区分
2.工業化過程と五つの事例
第2節 寡占化と棲み分けの論理
第3節 事業多角化の論理
第4節 政府の役割
参考文献
ISBN:9784258044917
。出版社:アジア経済研究所
。判型:A5
。ページ数:280ページ
。定価:3500円(本体)
。発行年月日:1998年11月
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KJ。