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第4次産業革命と日本経済

経済社会の変化と持続的成長

編:矢野 誠

紙版

内容紹介

人工知能など第4次産業革命の進展,人口減少・高齢化の加速,不確実性を増すグローバル経済への対応が,日本経済に求められている.こうした中で長期停滞を克服し,持続的成長を実現するための課題を,日本を代表する経済学者が理論的・実証的に考察する.

目次

刊行にあたって(中島厚志)

序 章 ソシオ・エコシステムと第4次産業革命(矢野 誠)
 1 ソシオ・エコシステム
 2 ソシオ・エコシステムとイノベーション・ダイナミックス
 3 ブロックチェーン・エコシステム
 4 AIと経済ブラックホール
 5 第4次産業革命やその後の経済を支えるソシオ・エコシステムの構築

第1章 経済成長はなぜ必要か――マクロ経済と少子高齢化(小林慶一郎)
 1 はじめに――我々が直面する問題
 2 デフレ均衡の問題
 3 長期停滞論――少子化・高齢化という構造変化
 4 世代を超えた持続性維持のための制度設計
 5 おわりに――経済成長と人工知能

第2章 第4次産業革命の中で変容する国際貿易・海外直接投資(冨浦英一)
 1 はじめに
 2 新たに注目を集めるデジタル貿易
 3 複雑に展開する企業間ネットワークとオフショアリング
 4 貿易に伴う費用
 5 貿易・直接投資に係る政策と法制度の課題
 6 おわりに

第3章 人口減少下の都市システムと地域経済の安定的発展に向けた課題(浜口伸明)
 1 はじめに
 2 地方の人口流出
 3 住みたい・住みやすいまちをつくる
 4 地方に良い仕事をつくりだす
 5 おわりに――第4次産業革命のインパクト

第4章 第4次産業革命と日本産業のイノベーション能力(長岡貞男)
 1 はじめに
 2 研究開発における汎用技術としての通信技術――ソフトウエア関連発明の広がり
 3 ソフトウエア発明の創造過程とその進歩性への示唆
 4 日本産業の情報通信分野の研究開発動向
 5 情報通信技術の研究開発における垂直分業の進展
 6 産業の基礎研究,サイエンス及び産学官連携研究
 7 おわりに

第5章 新たな産業フロンティアにおけるSociety5.0の世界(大橋 弘)
 1 はじめに
 2 Society5.0とデジタル・プラットフォーム
 3 地方創生と中小企業
 4 デジタル・プラットフォームの光と陰
 5 民間投資停滞の要因――電力市場に関連して
 6 競争政策の評価と課題
 7 最後に――競争政策の今後の在り方

第6章 日本経済停滞の原因と必要な政策――JIP2018による分析(金榮愨・権赫旭・深尾京司)
 1 はじめに
 2 日本と主要国の経済成長の源泉――成長会計による国際比較
 3 日本の資本蓄積はなぜこれほど減速したのか
 4 情報通信技術および無形資産の投入――日米比較を中心とした分析
 5 どの産業でTFP上昇が停滞したか
 6 おわりに

第7章 新たなテクノロジーは働き方をいかに変えるか――AI時代に向けた展望(鶴 光太郎)
 1 新たなテクノロジーの活用で変貌する働き方・職場
 2 時間・場所を選ばない働き方――テレワークによる創造性・生産性向上
 3 ICTの徹底活用によるホワイトカラーの仕事の「見える化」と生産性把握・向上
 4 AIと人間が補完的な関係になるためには何が必要か――働き方・スキル・職場の在り方に着目して
 5 おわりに

第8章 デジタル時代を支える市場と法(矢野 誠)
 1 第4次産業革命とデジタル・データ
 2 データの所有権とコースのオープン・クエスチョン
 3 市場の質と取引費用
 4 一束取引と競争上公正性
 5 市場の質選択の命題と取引費用の所在
 6 ホールドアップ問題と技術標準
 7 適正な価格形成
 8 経営者の被信任者義務とコーポレート・ガバナンス
 9 デジタル・データの所有権の設定と市場の質選択の命題

終 章 第4次産業革命の経済効果(森川正之)
 1 第4次産業革命をめぐる動き
 2 第4次産業革命の経済分析
 3 おわりに――展望と課題


The Fourth Industrial Revolution and the Japanese Economy:
Sustained Growth under a Transforming Economy and Society
Makoto YANO, Editor

著者略歴

編:矢野 誠
経済産業研究所所長・CRO/京都大学経済研究所特任教授

ISBN:9784130402903
出版社:東京大学出版会
判型:A5
ページ数:260ページ
定価:4300円(本体)
発行年月日:2020年03月
発売日:2020年02月29日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KCZ