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中公文庫 こ62-1

小説作法

著:小島信夫

紙版

内容紹介

なぜ、小説を書くのか?
書き続けるために本当に大切なこととは?
そもそも、小説とは何なのか、何ができるのか――?

常に現代文学の最前線を疾走し続けた作家が、これからの創作者に向けて伝える窮極のエッセンス。
単著未収録のロングトークを中心に、文体論、作家の個性、絵画・美術といった他ジャンルとの比較など、長年にわたり発表してきた小説論を初めて精選。
さらに巻末には、著者最晩年(2005)における保坂和志氏との伝説的対談「小説の自由」を収録。

本書を読み終えた時、あなたの小説観は確実に何かが変わっている――。

(文庫オリジナル/解説=保坂和志)

【目次】
Ⅰ 小説の文体(一つのセンテンスと次のセンテンス/『考え方』の藤森良蔵/わが精神の姿勢)
Ⅱ 小説の新しさ(肉体と精神/日本文学とユーモア/私の小説作法/モデルとプライバシイ/抽象主義の作家たち/共通の心の場とは何か/摩擦音の如きグロテスク/私の考える「新しさ」ということ)
Ⅲ 小説の論理(思想と表現/愚劣さについて)
Ⅳ 小説と絵画(ゴッホの絵について/エドガー・ドガ/喜怒なきマスクの如く)
Ⅴ 小説と芝居(小説と戯曲の間/小説と演劇/初めて戯曲を書いて)
Ⅵ 小説と書簡(小説とは何か)
Ⅶ トークより(私の小説・評論・芝居(1972)/我々と文学(1972)/カフカをめぐって(1983)/いかに宇野浩二が語ったかを私が語る(1985)/男の領域と女の領域のせめぎあい(1985)/そして小説は生き延びる(2000)/対談・小説の自由(2005))
 解説 保坂和志

著者略歴

著:小島信夫
小島信夫
一九一五年、岐阜県生まれ。東京大学文学部英文学科卒業。五五年、『アメリカン・スクール』で芥川賞、六五年、『抱擁家族』で谷崎潤一郎賞、七二年、『私の作家評伝』で芸術選奨文部大臣賞、八一年、『私の作家遍歴』で日本文学大賞、八二年、『別れる理由』で野間文芸賞、九八年、『うるわしき日々』で読売文学賞を受賞。他に『菅野満子の手紙』『原石鼎』『こよなく愛した』『寓話』『残光』など多数。二〇〇六年十月没。

ISBN:9784122073562
出版社:中央公論新社
判型:文庫
ページ数:432ページ
定価:1200円(本体)
発行年月日:2023年04月
発売日:2023年04月21日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DSA