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中公文庫

「終戦日記」を読む

著:野坂 昭如

紙版

内容紹介

空襲、原爆投下、玉音放送……当時、大人たちは何を考えていたのか。

終戦時十四歳だった〈焼跡闇市派〉作家が、高見順、永井荷風、中野重治、木戸幸一ら文人・政治家の日記をひもとき、自らの体験を振り返る。

「火垂るの墓」の原点である「プレイボーイの子守唄」ほか、空襲、焼跡、戦後を綴った随筆十三篇を増補した新版。〈解説〉村上玄一


【目次より】

Ⅰ 「終戦日記」を読む


第一章 八月五日、広島

第二章 原爆投下とソ連参戦

第三章 空襲のさなかで

第四章 終戦前夜

第五章 八月十五日正午の記憶

第六章 遅すぎた神風

第七章 混乱の時代のはじまり

第八章 もう一つの「八月十五日」

第九章 インフレと飢えの中で


Ⅱ 「終戦」を書く、語る

清沢洌著『暗黒日記』



負けるとは思わなかった――わが十二月八日

ぼくの家族は焼き殺された

空襲は天変地異ではない

六月一日に終わっていれば

五十歩の距離

焼跡に謳歌したわが青春

プレイボーイの子守唄



焼跡闇市派の弁

再び焼跡闇市派の弁

人間の知恵と悪知恵

返り見すれば二十八年

すべてうやむやのまま七十年が過ぎた

著者略歴

著:野坂 昭如
野坂昭如

一九三〇年(昭和五)神奈川県生まれ。親戚の養子となり神戸に育つ。四五年の空襲で養父を失い、のち、実家に引き取られる。旧制新潟高校から早稲田大学第一文学部仏文科に進むが、五七年中退。CMソング作詞家、放送作家などさまざまな職を経て、六三年「エロ事師たち」で作家デビュー。六八年「アメリカひじき」「火垂るの墓」で直木賞を、九七年『同心円』で吉川英治文学賞を、二〇〇二年『文壇』およびそれに至る文業で泉鏡花文学賞を受賞。そのほか『骨餓身峠死人葛』『戦争童話集』『一九四五・夏・神戸』など多くの著書がある。二〇一〇年(平成二十七)死去。

ISBN:9784122069107
出版社:中央公論新社
判型:文庫
ページ数:288ページ
定価:800円(本体)
発行年月日:2020年07月
発売日:2020年07月20日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DNL
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:DS
国際分類コード【Thema(シーマ)】 3:1FPJ