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中公新書ラクレ 769

理想の国へ

歴史の転換期をめぐって

著:大澤 真幸
著:平野 啓一郎

紙版

内容紹介

 コロナ禍、ロシアのウクライナ侵攻……人類史レヴェルの危機に直面し、私たちは正念場を迎えている。今こそどんな未来を選び取るのかが問われているのだ。この歴史の転換期にあたり、天皇論や三島由紀夫論など対話を重ねてきた二人の知性が、新たな日本のアイデンティティを模索した。蔓延する「日本スゴイ」論を、鍛え抜かれた言葉と思索の力で徹底検証。将来世代のことを視野に入れ、環境、ジェンダー、平和など、あくまで理想を追求し続けるために我々は何をなすべきか、国を愛するとはどういうことかをラディカルに問うた「憂国」の書。

 なお本書の元となった対話は、平成の天皇(現・上皇)が退位を宣言した後の二〇一九年一月、コロナ禍中の二〇二〇年八月および二〇二一年三月、そしてロシアのウクライナ侵攻最中の二〇二二年四月に行われた。

著者略歴

著:大澤 真幸
大澤真幸
1958年長野県生まれ、社会学者。東京大学大学院社会学研究科博士課程修了。社会学博士。千葉大学助教授、京都大学大学院教授を歴任。専門は理論社会学。2007年に『ナショナリズムの由来』で毎日出版文化賞を、2015年に『自由という牢獄』で河合隼雄学芸賞を受賞。著書に『<自由>の条件』『夢よりも深い覚醒へ』『日本史のなぞ』『考えるということ』『<世界史>の哲学』『社会学史』など多数。『ふしぎなキリスト教』(橋爪大三郎との共著)で新書大賞2012大賞。
著:平野 啓一郎
平野啓一郎
1975年愛知県生まれ、北九州市で育つ。小説家。京都大学法学部卒。1999年、在学中に文芸誌「新潮」に投稿した『日蝕』により芥川賞を受賞。以後、2002年の長編『葬送』をはじめ、数々の作品を発表し、各国で翻訳紹介されている。著書に『滴り落ちる時計たちの波紋』『決壊』(芸術選奨文部科学大臣新人賞)、『ドーン』(ドゥマゴ文学賞)、『かたちだけの愛』『透明な迷宮』『マチネの終わりに』(渡辺淳一文学賞)、『ある男』(読売文学賞)、エッセイ・対談集に『私とは何か』『生命力の行方』『自由のこれから』『考える葦』などがある。

ISBN:9784121507693
出版社:中央公論新社
判型:新書
ページ数:240ページ
定価:920円(本体)
発行年月日:2022年07月
発売日:2022年07月07日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JB