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中公新書ラクレ

「保守」のゆくえ

著:佐伯 啓思

紙版

内容紹介

確かな価値や秩序原理を失って、世界は混沌に向かっている。日本もその潮流のなかで、どう振る舞うかが問われている。いま、文明が陥ったニヒリズムに対して、人間の生を復権するために保守思想の役割は大きい。 ただ一方で、現実政治の動きを背景に、保守とリベラルの意味について、いまさまざまな言論が巻き起こっている。「保守とは何か」をもう一度確認する必要に迫られているのが、現代という時代でもある。 そうした中、保守の論客として、産経新聞から朝日新聞まで、ときに厳しく、ときに人間味豊かに語ってきた著者が、ホームグラウンド『表現者』に長きにわたって書き続けた文章を集成したのが本書だ。「保守主義は政治の一部エリートのものではない。それは自国の伝統にある上質なものへの敬意と、それを守る日常的な営みによって支えられる」と著者は述べる。そこにあらわれた愛国心は排外的ではない。そして特別な階層や集団の専売特許ではありえず、まさに国民的な課題だといえると告げる。柔軟で成熟した保守思想の深みを、味わいのある文章であらわした名作。

著者略歴

著:佐伯 啓思
1949(昭和24)年奈良県生まれ。東京大学経済学部卒。東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得。滋賀大学、京都大学大学院教授などを歴任する。2007年正論大賞受賞。著書に『隠された思考』(サントリー学芸賞)、『「アメリカニズム」の終焉』(東畑記念賞)、『現代日本のリベラリズム』(読売論壇賞)、『倫理としてのナショナリズム』『日本の愛国心』『大転換』『反・幸福論』『西田幾多郎』など多数。

ISBN:9784121506153
出版社:中央公論新社
判型:新書
ページ数:264ページ
定価:820円(本体)
発行年月日:2018年03月
発売日:2018年03月08日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JPF
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:QDTS