内容紹介
30歳の大倉玉青は、人材派遣会社に登録し大手通信系企業の受付として働いている。大学時代は、演劇サークルに所属していた。愛読書の『走れメロス』をバッグに放り込み、苦行のような満員電車に乗り職場へ通うのは、ただ生活のためだけだ。その生活が空虚で、何のために生きているのかわからない。彼女は、5年前の自分の選択に端を発するある「秘密」を抱え、その秘密に関わる者の存在を「希望」と感じながら、日々を過ごしていた――。
女優・執筆活動などで多彩な才能を見せる著者が、「入れ替わり」の起きた姉妹を主人公に現代的テーマに迫った、痛切な「命」の物語。
著者略歴
著:中江 有里
中江有里
1973年大阪府生まれ。法政大学卒。89年芸能界デビュー。数多くのテレビドラマ、映画に出演。2002年「納豆ウドン」で第23回「NHK大阪ラジオドラマ脚本懸賞」で最高賞を受賞し、脚本家デビュー。NHK BS2「週刊ブックレビュー」で長年司会を務めた。著書に小説『結婚写真』、『ティンホイッスル』、エッセイ集『ホンのひととき 終わらない読書』、最新刊に『わたしの本棚』がある。現在、NHK「ひるまえほっと」(関東甲信越地域)“中江有里のブックレビュー”を担当、フジテレビ系「とくダネ!」にコメンテーターとして出演中。読書に関する講演や、エッセイ、書評も多く手がける。
ISBN:9784120052064
。出版社:中央公論新社
。判型:4-6
。ページ数:256ページ
。定価:1500円(本体)
。発行年月日:2019年06月
。発売日:2019年06月17日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ。