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中公叢書

鷹見泉石

開国を見通した蘭学家老

著:片桐 一男

紙版

内容紹介

鷹見泉石は1785年生まれ(1858年没)、古河藩主土井利厚、利位の二代に仕えて名家老として知られる一方、いち早く危機意識を持って海外情報の収集に努め、その知見は学者や幕府要人などに広く影響を与えた。
 1804年のロシア使節レザノフ来航時、利厚が幕府の対ロシア問題の担当となったため、泉石も対外交渉のための調査に従事、これをきっかけに蘭学の学習と海外情報の収集を行うようになる。その後、泉石の収集した情報と知見は幕政にも生かされ、利位が主席老中に就任した頃には「土井の鷹見か、鷹見の土井か」とうたわれた。1853年、ペリー来航を受けての提言書「愚意摘要」は、退隠後の古河で書かれたものだが、開国と和親通商を主張するもので、彼の先見性を物語る。
「鷹見泉石日記」および関係書翰など、豊富な一次史料をもとにした初の評伝。

著者略歴

著:片桐 一男
1934年生まれ。青山学院大学名誉教授。専門は蘭学史・洋学史・日蘭文化交渉史。『阿蘭陀通詞の研究』(吉川弘文館、1985年)で角川源義賞受賞。近著に『江戸時代の通訳官 阿蘭陀通詞の語学と実務』(吉川弘文館、2016年)、『勝海舟の蘭学と海軍伝習』(勉誠出版、2016年)、『シーボルト事件で罰せられた三通詞』(勉誠出版、2017年)、『杉田玄白評論集』(勉誠出版、2017年)、『紅毛沈船引き揚げの技術と心意気』(勉誠出版、2017年)、『出島遊女と阿蘭陀通詞――日蘭交流の陰の立役者』(勉誠出版、2018年)など。

ISBN:9784120051623
出版社:中央公論新社
判型:4-6
ページ数:224ページ
定価:2000円(本体)
発行年月日:2019年02月
発売日:2019年02月06日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DNB