新潮文庫
新・平家物語 19
著:吉川 英治
紙版
内容紹介
お連れ給わりませ。行ける所まで、わらわもともに。大物ノ浦で難破し、弁慶らわずか十人余りと吉野にたどりついた義経は、愛妾の静を迎え、一院に潜むがそこも安住の地ではなかった。あたり一面の雪の中、主従七人は山深くへ。女人結界に拒まれ、義経と別れた静は捕えられ、鎌倉に送られるが、その身は子を宿していた……。一方、幕府創設を院に認めさせた頼朝は、義経の捜捕を厳命する。静・義経永遠の別れ、鶴ケ岡悲曲の舞、逃避行を描く第十九巻。