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恒子の昭和

日本初の女性報道写真家が撮影した人と出来事

著:笹本 恒子

紙版

内容紹介

時代の目撃者、笹本恒子が捉えた優しい昭和

日本初の女性報道写真家、笹本恒子は2012年9月に満98歳になる。
本書は、その70余年にわたるキャリアの集大成となる写真集。
昭和期にその道を究めた人々のポートレートと、戦前戦後の刻々とかわる社会を切り取った報道写真を中心に収録。
「人々編」では、徳富蘇峰、室生犀星、井伏鱒二、三木武吉、加藤シヅエ、千田是也、力道山、江間章子、沢村貞子、新藤兼人など錚々たる人物が登場。
「出来事編」は日独伊三国同盟婦人祝賀会、マッカーサー夫人、原水爆禁止世界大会、60年安保条約自然成立の瞬間など、激動の昭和史をたどるショットが続く。
笹本流カメラアイが捉えた優しく温かく懐かしい写真は、人々が懸命に生きた昭和の証しといえるだろう。

【編集担当からのおすすめ情報】
たとえば、昭和32年、将棋史上初の三冠王となった升田幸三氏。
「相好を崩す」とはこういうことか!と感心してしまう笑顔が、この写真集には3カット収められています。豪快な棋風と野武士のような風貌で、1日に煙草を200本、酒を3升のむ“将棋の鬼”が、笹本さんのカメラの前ではひとかけらの警戒心もない自然な姿をみせています。
徳富蘇峰氏の秘書からは撮影した写真について、「こんな柔和な先生のお顔は見たことがありません」と賛辞をいただいたそうです。
一方で、60年安保闘争や三井三池争議の報道写真からは、笹本さんが現場で感じた憤りや興奮、共感が伝わってきます。
自伝的エッセイ『好奇心ガール、いま97歳』(弊社刊)で一躍脚光を浴びた笹本さんの、仕事の足跡をたどる一冊です。同時に、昭和を生きてこらた方々の人生とシンクロする何かが、必ず見つかる一冊だと思います。

目次

はじめに

PART.1[人々編] 昭和を生きた人々

北原怜子(社会奉仕家)、グレン・W・ショー(日本文学研究家)、沢田美喜(社会事業家)、三木武吉(政治家)、太田 薫(労働運動家)、浅沼稲次郎(政治家)、尾崎士郎(小説家)、佐多稲子(小説家)、徳富蘇峰(ジャーナリスト・思想家・歴史家)、加藤シヅエ(婦人解放運動家・政治家)、大宅壮一(評論家)、松本満次(「宗谷」初代船長)、原田三夫(科学評論家)、三笠宮崇仁親王殿下(歴史学者)、崇仁親王妃百合子殿下(三笠宮崇仁親王の妃)、室生犀星(詩人・小説家) 、猿橋勝子(地球科学者)、谷 桃子(バレリーナ)、藤沢嵐子(タンゴ歌手)、東郷たまみ(洋画家)、朝丘雪路(女優)、力道山(プロレスラー)、石黒敬七(柔道家・随筆家)、ヨネヤマ・ママコ(舞踊家・振付師・パントマイミスト)、藤山一郎(歌手)、中村メイコ(女優)、長谷川 伸(小説家・劇作家)、松岡洋子(評論家・翻訳家)、千田是也(演出家・俳優)、壺井 栄(小説家・詩人)、井伏鱒二(小説家)、巌本真理(バイオリニスト)、江間章子(詩人)、木谷 實(囲碁棋士)、笠置シヅ子(歌手)、升田幸三(将棋棋士)、沢村貞子(女優・随筆家)、林 富美子(医師)、南 とめ(ネガフィルム編集者)、丸木 俊(洋画家)、村瀬幸子(女優)、結城みち子(歌人)、斎藤 史(歌人)、宇野千代(小説家)、三岸節子(洋画家)、新藤兼人(映画監督・脚本家)

Column
昭和という時代/笹本恒子のカメラアイ

PART.2[出来事編] 激動の昭和

“昭和の激動期と恒子”の略年表
写真協会(イマーヂ・デュジャポン女性編/日本の女性芸術家たち/写真週報)
開戦前夜(日独伊三国同盟婦人祝賀会/日米学生会議/ヒトラーユーゲント来日)
進駐軍(銀座四丁目交差点/米軍専用車/米軍紙の女性カメラマン/マッカーサー夫人/リッジウェイ総司令官夫妻/隅田川の渡し船/横浜本牧のホテル)
平和への祈り(永平寺/広島原爆ドーム)
女性台頭(婦人保安官誕生/ストリップショー/警職法改正反対 )
民主化の波(原水爆禁止世界大会/三井三池争議/60年安保闘争)

あとがきにかえて

『恒子の昭和』収録写真の一覧

ISBN:9784096820667
出版社:小学館
判型:B5
ページ数:96ページ
定価:1800円(本体)
発行年月日:2012年07月
発売日:2012年06月26日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DNB
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ