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バッハ全集

バッハ全集 14 協奏曲,管弦楽曲

編著:ダーデルセン,G. von
編著:角倉 一朗

紙版

内容紹介

●バッハの3つのスタイル
この巻には、バッハの創作活動を方向づける3つの主要なスタイルが 含まれています。すなわち、1)バッハの時代に全ヨーロッパを席巻し た、イタリア起源の躍動<コンチェルト>、2)バロックというよりは、むしろロココに属するフランス起源の粋(ギャラント)な<組曲>、 そして、3)ルネサンスのカノン作法に先祖がえりしたような、極端に思弁的な<特殊作品>というわけで、それらの代表例が、《ブランデンブルグ協奏曲》や《管弦楽組曲》、そして《フーガの技法》であることは言うまでもありません。
●ジャンルを超えて結びつくバッハ
そして、この巻に収められているのはスタイルのはっきりした作品ば かりですから、これに親しむことによって、さらにスタイルが複雑に重なり合ったほかの作品を読み解いてゆくことができるでしょう。たとえば、オルガンのための《(トリオ)ソナタ集》は<コンチェルト>のスタイルを土台としていますし、BWV75《貧しい人は食事し》は教会音楽ながら<組曲>と結びつけられます。またBWV811《イギリス組曲第6番》は組曲でありながら<特殊作品>の性格を有しています。このように、バッハの作品はジャンルを超えて相互に関連づけられますが、それらを結び合わせて聴くことも「全集」ならではの楽しみなのです。
●待望のピノックの新録音
演奏は、カール・リヒターのまさに思弁的な《音楽の捧げもの》を除けば、すべて現役の古楽器演奏家によるもので、《ブランデンブルグ協奏曲》(ムジカ・アンティクワ・ケルン)の第1番、第5番には、ホグウッドによる第1稿の演奏も加えました。しかし、この巻の魅力は何と言っても、トレヴァー・ピノックがこの『バッハ全集』のために新たに録音する《管弦楽組曲》ではないでしょうか。これまでも、ピノックは指揮やチェンバロ演奏を通じて、きわめて生気あふれるバッハ像を描きつづけてきただけに、リズム表現が決め手となる《管弦楽組曲》の新録音には、大きな期待が寄せられます。

ISBN:9784096120149
出版社:小学館
判型:B5
ページ数:268ページ
定価:27143円(本体)
発行年月日:1995年