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メロドラマ・オペラのヒロインたち

著:岡田 暁生

紙版

内容紹介

オペラはメロドラマだ!

『オペラの運命』『西洋音楽史』など、クラシック界では異例のベストセラーを放ってきた著者の最新作。NHK Eテレ『スコラ 坂本龍一音楽の学校』出演でも知られる著者だが、軽快な語り口で、まったく退屈せず、初心者でも一気に読めるオペラ入門書である。
内容はワーグナーの楽劇から映画『ゴッドファーザー』まで、硬軟にわたり約20作品を紹介。音楽史に沿って、ヴィオレッタ(「椿姫」)ブリュンヒルデ(「ワルキューレ」)トスカ(「トスカ」)らオペラ黄金時代のヒロインを中心に、ハリウッド映画の金字塔であるスカーレット(「風と共に去りぬ」)、戦後日本の象徴ともいえるマドンナ(「男はつらいよ」「釣りバカ日誌」)まで、“女神”(女主人公)の魅力をたっぷり解説している。ひいてはAKB48のアイドル論に至る分析力は圧巻だ。
著者によると「メロドラマ」の語源は「メロディ」+「ドラマ」で、もともとは音楽劇=オペラを指す。本来オペラとは「大衆が喜ぶたわいない恋愛劇を音楽で盛り上げたもの」であり、映画やTVドラマと同じように「小難しく構えず、いかに素晴らしい音楽を味わい尽くすか」、これこそがオペラの鑑賞術に尽きるのだ。

【編集担当からのおすすめ情報】
オペラは難しいと思っていませんか? オペラは筋書きのないドラマ。オペラを観たことのない方の入門書としてだけでなく、オペラ通の方にはエッセイとしても楽しんでいただける一冊です。おおの麻里さんの小悪魔イラストにもご注目ください!

目次

<目次>

はじめに 3

第一話 メロドラマとは何なのか? 9

第二話 ヴィンチェンツォ・ベッリーニ作『ノルマ』 21
甘美で憂鬱な巫女のメロディー

第三話 ジュゼッペ・ヴェルディ作『ラ・トラヴィアータ』 35
ヴィオレッタは「娼婦」なのか?

第四話 ジュゼッペ・ヴェルディ作『イル・トロヴァトーレ』 47
ロマの老母の絶叫

第五話 ジュゼッペ・ヴェルディ作『アイーダ』 63
王女の誇りと決めゼリフ

第六話 リヒャルト・ワーグナー作『ニーベルングの指環』 77
愛は世界を救う

第七話 リヒャルト・ワーグナー作『トリスタンとイゾルデ』 91
実人生の中のメロドラマ

第八話 ジャック・オッフェンバッハ作『ホフマン物語』 103
人形と女流芸術家と高級娼婦と

第九話 ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー作『エフゲニー・オネーギン』117 清純派ヒロインの条件

第十話 ヨハン・シュトラウス2世作 喜歌劇『こうもり』 129
キュートな女中は女優志願

第十一話 ジャコモ・プッチーニ作『トスカ』 141
ラ・トスカ――ラ・カラス

第十二話 ジャコモ・プッチーニ作『トゥーランドット』 151
トゥーランドット・シンドローム

第十三話 W.A.モーツァルト作『コジ・ファン・トゥッテ』 161
モーツァルトにメロドラマ・ヒロインはいない

第十四話 リヒャルト・シュトラウス作『ばらの騎士』 171
喜劇と節度ある有閑マダム

第十五話 リヒャルト・シュトラウス作『アラベラ』 181
機微がわかる優雅な「大人の女」

第十六話 エーリッヒ・ヴォルフガング・コルンコルド作『死の都』 191
ノスタルジーと幻影

第十七話 デヴィッド・リーン監督 『逢びき』 203
ピアノを弾く令嬢の恋愛ごっこ

第十八話 ヴィクター・フレミング監督 『風と共に去りぬ』215
ウィーンからハリウッドへ

第十九話 フランシス・F・コッポラ監督『ゴッドファーザー』 227
移民たちの歌

第二十話 メロドラマと風景と音楽と 239

おわりに 252

ISBN:9784093884501
出版社:小学館
判型:4-6
ページ数:256ページ
定価:1500円(本体)
発行年月日:2015年11月
発売日:2015年11月05日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:AVLF