楽都ウィーンの光と陰
比類なきオーケストラのたどった道
著:岡田 暁生
内容紹介
クラシックファン必読のウィーン音楽文化史
毎年、元旦夜(日本時間)のニューイヤー・コンサート中継で知られるウィーン・フィル。2012年も世界約70のテレビ局で視聴され、知名度、人気とも世界一といって過言ではない。その黄金の響きを生み出した歴史的背景をたどると、単なるオーケストラの成り立ちだけではなく、ウィーンという街の表と裏の文化史が浮き彫りとなってくる。
2010年より2年間にわたり刊行され人気を博したCDつきマガジン『ウィーン・フィル魅惑の名曲』の巻頭連載エッセイ「ウィーン・フィルをめぐる断章」に加筆し、一冊にまとめたのが本書である。気鋭の音楽学者である著者が、リング(旧市街地の環状道路)をウィーン・フィルの本拠地である楽友協会からスタートし、ウィーンの街を巡回散策するかのように語りつくす。ハプスブルク帝国文化の滅亡、ナチス党員がベルリン・フィルより多かったという事実・・・暗部にも着目したユニークな音楽都市文化論の誕生だ。
貴重な写真や地図、年表なども収録し、資料性も高い貴重な一冊。トルテで知られるホテル・ザッハーや映画『第三の男』などの秘められたストーリーも紹介され、知的旅行エッセイとしても読み応え十分である。
【編集担当からのおすすめ情報】
日本人の誰もが耳にしたことのある軽やかなウィンナ・ワルツ、TV越しでもキラキラ眩いばかりの黄金のホール。ウィーンに行ったことがある人にもない人にも、クラシック音楽ファンにもそうでない人にも、「なぜウィーン・フィルはあれほどにも特別な存在なのか」が、謎解きのようにわかっていただける秀逸な一冊です。ザッハー・トルテで知られるホテル・ザッハー、映画『会議は踊る』『第三の男』の舞台裏話など、ウィーンを身近に感じるエピソードも満載です。
目次
目次
一章:カフェ・シュヴァルツェンベルクからの眺め
二章:リングの表玄関を歩く
三章:ふたつのホテル
四章:楽友協会ホール誕生
五章:第二のホール、コンツェルトハウス
六章:スター指揮者、マーラー登場
七章:ウィーン・フィルはいつできたのか
八章:第一次世界大戦の衝撃
九章:転落のワルツ
十章:ハプスブルク帝国の破片
十一章:名コンサートマスター、ロゼーの悲劇
十二章:映画『第三の男』とウィーンの下水道
十三章:シェーンベルクの生地、プラーター
十四章:ドナウ運河のあちらとこちら
ISBN:9784093882378
。出版社:小学館
。判型:A5
。ページ数:264ページ
。定価:1900円(本体)
。発行年月日:2012年02月
。発売日:2012年01月31日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:AVL。