薔薇とビスケット
著:桐衣 朝子
紙版
内容紹介
若い介護士・徹が体験するお盆の夜の奇跡
竜崎徹は25才の介護福祉士。都内にある特別養護老人ホーム『安養ホーム』に就職して5年目だ。恒例のお盆祭りの夜、危篤となった入所者の部屋で遺影用の写真を捜しているうちに時空を越えてしまう。昭和13年の新橋の芸者置屋『桜屋』に出現した徹。そこでは寝たきりの主人が喉を詰まらせて死にかけていたが徹は救命措置を施し、命を救う。右も左も分からぬ時代で、主人のお抱え世話人として住み込むことになった徹は美しい芸者など、さまざまな人々と出会うことになる。しかし徹はその中に、どこか見覚えのある人物がいることに気付いた・・・。平成と昭和、2つの時代を舞台に、波乱な人生が交差する。第13回小学館文庫小説賞授賞作品。発売前から各紙誌に取り上げられた61歳の新人作家が描く、読後感爽やかな作品。
目次
第一章 まっすぐな道
第二章 美しい洋館
第三章 引く人
第四章 桜屋
第五章 お盆の夜
第六章 見知らぬ銀座
第七章 お藤と武雄
第八章 お船行き
第九章 鰻巻き玉子
第十章 懐かしい瞳
エピローグ