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講談社文庫

戦百景 大坂冬の陣

著:矢野 隆

紙版

内容紹介

戦国時代の終焉を飾る大合戦。徳川vs豊臣、そして真田信繁、伊達政宗、上杉景勝、松平忠直らの戦場内外での陰謀や思惑を深掘り!

慶長16年(1611年)。関ヶ原の戦いから11年が経っていた。徳川家康は、後水尾天皇即位を口実に孫婿でもある豊臣秀頼を上洛させ二条城での会見を果たす。70歳になった家康は、19歳の秀頼に我が身の老いを思い知らされ、また世継ぎで二代将軍の秀忠との器を比較して心の闇に囚われてしまう。なんとしても豊臣家を滅ぼさねば。このときすでに、真の意味での大坂の陣ははじまっていたのだ。そして3年後の慶長19年(1614年)、豊臣家が家康を呪ったとされる「方広寺鍾銘事件」が起こる。なんとか東西の手切れを食い止めようとした、秀頼の傅役・片桐且元の奔走も空しく、徳川と豊臣の両勢力は戦への道を突き進んでいった。豊臣恩顧の武将たちも代替わりし、浅野や蜂須賀など豊臣のもとに参じる武将は皆無。他方、大坂城内は関ヶ原で敗れた西軍くずれの牢人たちで溢れていた。その中には真田信繁や後藤又兵衛の顔もあった。かくして天下の決着をつける大戦の火蓋は切られた……。

著者略歴

著:矢野 隆
1976年福岡県生まれ。2008年『蛇衆』で第21回小説すばる新人賞を受賞。その後、『無頼無頼(ぶらぶら)ッ!』『兇』『勝負(ガチ)!』など、ニューウェーブ時代小説と呼ばれる作品を手がける。また、『戦国BASARA3 伊達政宗の章』『NARUTO-ナルト- シカマル新伝』といった、ゲームやコミックのノベライズ作品も執筆して注目される。’21年から始まった「戦百景」シリーズ(本書を含む)は、第4回細谷正充賞を受賞するなど高い評価を得ている。また’22年に『琉球建国記』で第11回日本歴史時代作家協会賞作品賞を受賞。他の著書に『清正を破った男』『生きる故』『我が名は秀秋』『戦始末』『鬼神』『山よ奔(はし)れ』『大ぼら吹きの城』『朝嵐(あさあらし)』『至誠の残滓(ざんし)』『源匣記(げんこうき) 獲生伝(かくしょうでん)』『とんちき 耕書堂青春譜 』『さみだれ』『戦神(いくさがみ)の裔(すえ)』および『THE LEGEND&BUTTERTLY』(ノベライズ)などがある。

ISBN:9784065324776
出版社:講談社
判型:文庫
ページ数:380ページ
定価:780円(本体)
発行年月日:2023年07月
発売日:2023年07月14日