出版社を探す

講談社文庫

マーダーズ

著:長浦 京

紙版

内容紹介

大藪賞受賞作『リボルバー・リリー』が2023年行定勲監督で映画化決定!
気鋭の作家による衝撃の問題作。
この街には複数の殺人者がいる。彼らが出会うとき、
法では裁き得ない者たちへの断罪が始まる――。大藪賞作家が現代を舞台に描く圧倒的犯罪小説!
デビュー2作目『リボルバー・リリー』でいきなり大藪賞受賞!

ストーカーに襲われる女性を助けた夜から、
商社マンである阿久津清春の日常は狂い始める。
ブラウンの瞳と褐色の肌を持つその女、
柚木玲美は言った「あなたが殺人犯だと知っています」
17歳の夏、清春は人を殺していた。誰にも知られず――。
意図的に清春に近づいた玲美は、その「事実」と引き換えに、
母の死の真相と行方不明の姉の捜索を依頼する。
パートナーとなるのは、かつて実兄の殺害容疑をかけられた組対五課の刑事・則本敦子。
彼女もまた、過去の事件の証拠を玲美に握られていた。
異様な関係で結ばれた三人の捜査は、いくつかの未解決事件を掘り起こし、
やがて社会に潜む、起こしてはならない者たちを呼び寄せてしまう……。

この10年で日本全体の殺人認知件数は1万288。検挙率の平均は98%。
単純計算で206人の殺人犯が捕まっていないことになる。
また、年間約17万人が死因不明の異状死として届けられるが、解剖に回されるのはわずか12%。
およそ15万の「異状死体」が、詳しく調べられないまま死因を特定されている。
イギリスでの解剖率は約40%、アメリカで約60%、北欧では90%を超えるところもあり、
他の先進国と比べてこの数値は異様に低い。
つまり、この国では多くの「死」が見逃されている可能性があるのだ。

著者略歴

著:長浦 京
1967年埼玉県生まれ。法政大学経営学部卒業後、出版社勤務などを経て放送作家に。その後、難病指定の病にかかり闘病生活に入る。退院後に初めて書き上げた『赤刃』で、第6回小説現代長編新人賞を受賞。2017年『リボルバー・リリー』で大藪春彦賞、2019年『マーダーズ』(本作)で第73回日本推理作家協会賞候補、第2回細谷正充賞を受賞。2021年『アンダードッグス』では第164回直木賞候補、第74回日本推理作家協会賞候補となる。
『リボルバー・リリー』は2023年に行定勲監督で映画化が決定している。他の作品に『アキレウスの背中』『プリンシパル』がある。

ISBN:9784065312209
出版社:講談社
判型:文庫
ページ数:432ページ
定価:950円(本体)
発行年月日:2023年06月
発売日:2023年06月15日