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講談社学術文庫

三国志演義 4

訳:井波 律子

紙版

内容紹介

西暦220年、後漢王朝の崩壊後、群雄割拠の時代の中から魏、蜀、呉の三つ巴の戦いへと発展した。その約1000年後。複数の「三国志」の物語や資料を整理・編纂し、フィクショナルな物語世界を構築してたのが、本書『三国志演義』です。中国文学に精通した訳者が、血沸き肉躍る、波乱万丈の物語を、背景となっている時代や思想にも目配りしたうえで、生き生きとした文体で翻訳した決定版です。(講談社学術文庫)


西暦220年、後漢王朝の崩壊により乱世が到来。やがて、その中から魏、蜀、呉の三国が生まれ、三つ巴の戦いへと発展していった「三国時代」は、陳寿による『三国志』(3世紀末)や『新全相三国志平話』(元の至治年間に刊行とされる)、芝居などの民間芸能の世界で、連綿と語られ続けてきました。そして、「三国時代」から約1000年後。いくつもの「三国志」の物語や資料を整理・編纂し、フィクショナルな物語世界を構築して、現在知られる「三国志」物語のイメージを確立したとされるのが、羅貫中の白話(口語)長篇小説『三国志演義』です。
本書は、中国文学に精通した訳者が、その血沸き肉躍る、波乱万丈の物語を、背景となっている時代や思想にも目配りしたうえで、生き生きとした文体で翻訳しました。
最終巻では、魏・蜀・呉の三国分立態勢が確立したなかで、新ヒーロー「蜀の諸葛亮」が、魏を討つために六度の北伐をします。魏軍の司馬懿と諸葛亮の両者の激しい戦い。諸葛亮は「木牛」および「流馬」と称する大型輸送器械も発明した。死後も、「死せる諸葛、能く生ける仲達を走らす」と軍師の面目躍如です。魏、蜀が滅び、最後まで残っていた呉も、総勢数十万の晋軍に攻め落とされるのが、二八〇年のこと。司馬氏の晋が中国全土を統一、一八四年に勃発した黄巾の乱から約百年におよぶ、疾風怒濤の時代は終息したのでした。

目次

登場人物紹介(第四巻)
第九十一回 瀘水に祭って 漢相 師を班し 中原を伐たんとして 武侯 表を上る
第九十二回 趙子龍 力めて五将を斬り 諸葛亮 智もて三城を取る
第九十三回 姜伯約 孔明に帰降し 武郷侯 王朗を罵り死す
第九十四回 諸葛亮 雪に乗じて 羌兵を破り 司馬懿 日を尅めて 孟達を擒う
第九十五回 馬謖 諫めを拒んで 街亭を失い 武侯 琴を弾じて 仲達を退く
第九十六回 孔明 涙を揮って 馬謖を斬り 周魴 髪を断って 曹休を賺く
第九十七回 魏国を討たんとして 武侯 再び上表し 曹兵を破らんとして 姜維 詐って書を献ず
第九十八回 漢軍を追って 王双 誅を受け 陳倉を襲って 武侯 勝ちを取る
第九十九回 諸葛亮 大いに魏兵を破り 司馬懿 入りて西蜀に寇す
第一百回 漢兵 塞を劫って 曹真を破り 武侯 陣に鬥わせて 仲達を辱しむ
第一百一回 隴上に出でて 諸葛 神を妝い 剣閣に奔りて 張こう 計に中る
第一百二回 司馬懿 北原・渭橋を占め 諸葛亮 木牛・流馬を造る
第一百三回 上方谷にて 司馬 困しみを受け 五丈原にて 諸葛 星を禳う
第一百四回 大星隕ちて 漢の丞相 天に帰り 木像を見て 魏の都督 胆を喪う
第一百五回 武侯 預め錦嚢の計を伏せ 魏主 拆ちて承露盤を取る
第一百六回 公孫淵 兵敗れて襄平に死し 司馬懿 病を詐りて曹爽を賺す
第一百七回 魏主 政を司馬氏に帰し 姜維 兵を牛頭山に敗る
第一百八回 丁奉 雪中に短兵を奮い 孫峻 席間に密計を施す
第一百九回 司馬を困しむ 漢将の奇謀 曹芳を廃す 魏家の果報
第一百十回 文鴦 単騎にて雄兵を退け 姜維 水を背にして大敵を破る
第一百十一回 とう士載 智もて姜伯約を敗り 諸葛誕 義もて司馬昭を討つ
第一百十二回 寿春を救いて 于詮 節に死し 長城を取りて 伯約 兵を鏖にす
第一百十三回 丁奉 計を定めて 孫りんを斬り 姜維 陣を鬥わせて とう艾を破る
第一百十四回 曹髦 車を駆って 南闕に死し 姜維 糧を棄てて 魏兵に勝つ

『三国志演義』年表四
第四巻の読みどころ

ISBN:9784062922609
出版社:講談社
判型:文庫
ページ数:672ページ
定価:1800円(本体)
発行年月日:2014年12月
発売日:2014年12月11日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB