講談社文芸文庫
谷崎潤一郎論
著:中村 光夫
紙版
内容紹介
『細雪』の刊行、文化勲章受章とまさに谷崎評価の絶頂期、それまで雑誌や新聞の注文に応じて執筆していた著者が、初めて「僕の方から頼んで書かせてもらった」挑戦的評論。武田泰淳は「乱れが無さすぎるほどよく整理された論文」として、その手さばきを有能な外科医の手術に喩え、「病根を知る者の緊張が、彼を徹底的にする」と絶賛した。読み物としても面白い独創的年譜に、補遺を加えた決定版。
目次
第一部 ──神童・異端者の悲しみ──
第二部 ──捨てられる迄・饒太郎──
第三部 ──痴人の愛・春琴抄──
谷崎潤一郎年譜
解説 千葉俊二