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講談社現代新書

ニッポンの裁判

著:瀬木 比呂志

紙版

内容紹介

冤罪連発の刑事訴訟、人権無視の国策捜査、政治家や権力におもねる名誉毀損訴訟、すべては予定調和の原発訴訟、住民や国民の権利など一顧だにしない住民訴訟、嗚呼(ああ)!日本の裁判はかくも凄まじく劣化していた・・・。ベストセラー『絶望の裁判所』の瀬木比呂志教授が、中世なみの「ニッポンの裁判」の真相と深層を徹底的に暴く衝撃作! 裁判の「表裏」を知り抜いた元エリート裁判官による前代未聞の判例解説に法曹界騒然!


裁判の「表裏」を知り抜いた元エリート裁判官による前代未聞の判例解説。法曹界再び騒然の衝撃作!

冤罪連発の刑事訴訟、人権無視の国策捜査、政治家や権力におもねる名誉毀損訴訟、すべては予定調和の原発訴訟、住民や国民の権利など一顧だにしない住民訴訟、嗚呼(ああ)!日本の裁判はかくも凄まじく劣化していた・・・。ベストセラー『絶望の裁判所』の瀬木比呂志教授が、中世なみの「ニッポンの裁判」の真相と深層を徹底的に暴く衝撃作!

「はしがき」より
本書は、『絶望の裁判所』の姉妹書である。『絶望』が制度批判の書物であったのに対し、本書は、裁判批判を内容とする。つまり、両者は、内容は関連しているが、独立した書物である。(中略)より具体的に述べよう。『絶望』は、もっぱら裁判所、裁判官制度と裁判官集団の官僚的、役人的な意識のあり方を批判、分析した書物であり、裁判については、制度的な側面からラフスケッチを行ったにすぎなかった。これに対し、本書は、そのような裁判所、裁判官によって生み出される裁判のあり方とその問題点について、具体的な例を挙げながら、詳しく、かつ、できる限りわかりやすく、論じてゆく。(中略)おそらく、日本の裁判全体の包括的、総合的、構造的な分析も、これまでに行われたことはあまりなかったのであり、本書の内容に驚愕され、裁判に対する認識を改められる読者は多いはずである。

目次

はしがき―ニッポンの裁判 
第1章 裁判官はいかに判決を下すのか?
 ─その判断構造の実際
第2章 裁判官が「法」をつくる
 ─裁判官の価値観によって全く異なりうる判決の内容 
第3章 明日はあなたも殺人犯、国賊 
 ─冤罪と国策捜査の恐怖
1 国家による犯罪であり殺人である冤罪
2 民主主義国家の理念と基本原則に反する国策捜査 
3 あなたが裁判員となった場合には…… 
第4章 裁判をコントロールする最高裁判所事務総局 
 ─統制されていた名誉毀損訴訟、原発訴訟
1 政治家たちの圧力で一変した名誉毀損損害賠償請求訴訟
2 統制されていた原発訴訟
第5章 統治と支配の手段としての官僚裁判
 ─これでも「民主主義国家の司法」と呼べるのか?
1「超」絶望の行政訴訟
2 そのほかの訴訟類型
3 裁判の質の信じられない劣化
第6章 和解のテクニックは騙しと脅しのテクニック?
 ─国際標準から外れた日本の和解とその裏側 
第7章 株式会社ジャスティスの悲惨な現状
第8章 裁判官の孤独と憂鬱 
あとがき 宇宙船と竹刀

著者略歴

著:瀬木 比呂志
一九五四年名古屋市生まれ。東京大学法学部在学中に司法試験に合格。一九七九年以降裁判官
として東京地裁、最高裁等に勤務、アメリカ留学。並行して研究、執筆や学会報告を行う。二〇一二年明治大学法科大学院専任教授に転身。民事訴訟法等の講義と関連の演習を担当。著書に、『絶
望の裁判所』(講談社現代新書)、『リベラルアーツの学び方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン、近刊)、『民事訴訟の本質と諸相』、『民事保全法〔新訂版〕』、『民事訴訟実務・制度要論』(以上、日本評論社、最後のものは近刊)等多数の一般書・専門書のほか、関根牧彦の筆名による『内的転向論』(思想の科学社)、『心を求めて』、『映画館の妖精』(ともに騒人社)、『対話としての読書』(判例タイムズ社)があり、文学、音楽(ロック、クラシック、ジャズ等)、映画、漫画については、専門分野に準じて詳しい。

ISBN:9784062882972
出版社:講談社
判型:新書
ページ数:320ページ
定価:1000円(本体)
発行年月日:2015年01月
発売日:2015年01月16日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:LNAA