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講談社現代新書

絆の構造

依存と自立の心理学

著:高橋 惠子

紙版

内容紹介

変質する「標準家族」、変貌する「結婚制度」。揺らぐ「男性稼ぎ主型」社会の中で、専業主婦は少数派となり、単独世帯も増加を続ける。日本の家族と社会の関係は大きく変化をしているようだ。人生九〇年時代を迎えた日本の「人間関係」の現在を、「絆」というキーワードを軸に生涯発達心理学から読み解く。個人が自分らしいネットワークを築き新たなつながりをつくる一歩を踏み出すための好著。(講談社現代新書)


変質する「標準家族」、変貌する「結婚制度」。
揺らぐ「男性稼ぎ主型」社会の中で、専業主婦は少数派となり、単独世帯も増加を続ける。日本の家族と社会の関係は大きく変化をしているようだ。
人生九〇年時代を迎えた日本の「人間関係」の現在を、「絆」というキーワードを軸に生涯発達心理学から読み解く。
「絆」は、東日本大震災以降、日本中で再注目されている。特に家族の「絆」、地域の「助け合いの絆」を、政府をはじめ、メディアも人々に訴えている。
しかし、我々日本人は、血縁、家族縁、地縁、社縁などに縛られすぎていないだろうか。他人とうまくコミュニケーションをとれることを高く評価し、他人との会話がないことを問題視するような、対人行動についての社会通念に翻弄されすぎていないだろうか。
この伝統的な縛りを解き、通念をひとまず無視し、無理に人とつながることを一端止めてはどうだろう。自分が生きる上で大切な人々を選択し、納得できるやり方でつきあえるように、人生を見直す時期にきているのではないだろうか。
本書では現在の日本の家族関係、仲間・友人・恋人との関係など、「人間関係」の構成や愛情のネットワークをわかりやすく解説し、これからの人と人がつながる仕組みを考察する。
その上で、個人が自分らしい人間関係のネットワークを築く必要性を説く。
新たなつながりをつくる一歩を踏み出すための一冊。

目次

序章 人間関係の神話
第一章 日本の家族の現在
第二章 母子関係は特別か
第三章 仲間・友人・恋人との関係
第四章 定年からの人間関係
第五章 人間関係の仕組み
第六章 人と人をつなぐ

著者略歴

著:高橋 惠子
聖心女子大学名誉教授。1968八年東京大学大学院博士課程修了、1972年博士号(教育学博士)を取得。一貫して人間関係の生涯発達を乳児から高齢者までを対象に理論的、実証的に検討し縦断研究を行ってきた。主な著書に『生涯発達の心理学』(岩波新書)、『日本の男性の心理学ーもう一つのジェンダー問題』『人間関係の心理学ー愛情のネットワークの生涯発達』(ともに東京大学出版会)などがある。

ISBN:9784062882248
出版社:講談社
判型:新書
ページ数:221ページ
定価:740円(本体)
発行年月日:2013年09月
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JB