講談社現代新書
なぜ僕はドキュメンタリーを撮るのか
著:想田 和弘
内容紹介
なぜ/どうやって、ナレーションや音楽なしでドキュメンタリーを作るのか? なぜリサーチや打ち合わせなどをしないのか? 〈タブーとされるもの〉を撮って考えることは? 客観的真実とドキュメンタリーの関係とは? このような問いへの答えを率直に語る、いまもっとも注目される映画作家によるライブな表現論!
映画『Peace』のメイキングを通して語る、ドキュメンタリー論の快著!
著者・想田和弘は、いまもっとも注目される映画作家の一人。ニューヨークで映画を学び、卒業後もそのまま在住、テレビ・ディレクターとして、ドキュメンタリー番組を40本以上制作した。
2007年からは、事前のリサーチ・打ち合わせや台本なし、ナレーション、説明テロップ、音楽も使わない、「観察映画」と呼ぶ独特の方法論・スタイルでドキュメンタリー映画を撮っている。監督・撮影・録音・編集もほとんど一人で行う。これまでに、落下傘候補のドブ板選挙戦を描いた『選挙』、精神医療のタブーに切り込んだ『精神』と、一作ごとに大きな話題を呼んできた。
2009年のある日、彼は、韓国の映画祭から「平和と共存」をテーマとした映画を依頼された。テーマなしで虚心に撮るのを私是にしているのに先にテーマありきで、しかも「平和と共存」……「大上段すぎる」とためらいながらカメラを向けたのは、岡山で暮らし、福祉の仕事に携わる義父母とまわりの人々、義父が庭で世話する野良猫たちの静かな日常だった。
その作品『Peace』は、完成後、世界各地の映画祭で大反響を呼び、東京フィルメックスでドキュメンタリーでは異例の観客賞、香港国際映画祭では最優秀ドキュメンタリー賞を受賞した。
・なぜ/どうやって、ナレーションや音楽なしでドキュメンタリーを作るのか?
・なぜリサーチや打ち合わせなどをしないのか?
・インディー映画作家の制作費や著作権について
・〈タブーとされるもの〉を撮って考えることは?
・客観的真実とドキュメンタリーの関係とは?
このような問いへの答えを率直に語る、ライブな表現論!
目次
第1章 撮る者と撮られる者
第2章 「台本」と「分かりやすさ」を捨てて――観察映画とは何だろう(基本編)
第3章 ドキュメンタリーの面白さ――観察映画とは何だろう(発展編)
第4章 一期一会のドキュメンタリー
第5章 映画が連れていってくれる場所
ISBN:9784062881135
。出版社:講談社
。判型:新書
。ページ数:251ページ
。定価:800円(本体)
。発行年月日:2011年07月
。発売日:2011年07月15日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:ATF。