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講談社現代新書

東京裁判

著:日暮 吉延

紙版

内容紹介

「東京裁判から60年。ようやく〈事実〉に基づく、冷静かつ実証的な研究がなされる時代がきたとの感に打たれた。〈歴史〉が待ち望んでいた書だ」――保坂正康(ノンフィクション作家) 東京裁判は「国際政治」の産物以上のものではない。イデオロギーを排し、「文明の裁き」と「勝者の報復」をめぐっての不毛な論争に終止符を打つ。第30回サントリー学芸賞<思想・歴史部門>受賞作。


「東京裁判から60年。ようやく〈事実〉に基づく、冷静かつ実証的な研究がなされる時代がきたとの感に打たれた。〈歴史〉が待ち望んでいた書だ。」――保坂正康(ノンフィクション作家)

東京裁判は「国際政治」の産物以上のものではない。イデオロギーを排し、徹底的な実証と醒めた認識で「文明の裁き」と「勝者の報復」をめぐっての不毛な論争にいまこそ終止符を打つ。

すでに東京裁判の開廷から60年余の歳月が経過している。「東京裁判開廷60年」の2006年に朝日新聞社が実施した日本国内の世論調査では、東京裁判をどの程度知っているかという質問にたいして、「裁判があったことは知っているが内容は知らない」が53パーセント、「裁判があったことも知らない」が17パーセント、合計70パーセントが、「知らない」という結果が出た(『朝日新聞』2006年5月2日)。……この数字にはなかなか驚くべきものがあると思う。二世代(60年)のあいだにこれだけ忘れられているなら、そろそろ冷静な議論も可能になっていそうなものだが、しかし現実は「逆である。……日本のマスメディアには「A級戦犯」「東京裁判」といった用語が飛びかい、旧態依然とした裁判の肯定・否定論争もかまびすしい。冷静で生産的な論争であれば、大いにやってもらいたいものである。しかし、この肯定・否定論争では、紋切り型の、ときには誤った知見が繰り返されるばかりだ。1980年代後半以降、東京裁判についての新しい事実がかなり発見されてきたが、それらは専門家の世界にとどまり、一般にはあまり普及していない。本書を世に問うのは、このためである。――<本文より>

第30回サントリー学芸賞<思想・歴史部門>受賞

目次

第1章 東京裁判をどう見るか
第2章 東京裁判の枠組みはいかにして成立したのか
第3章 連合国は何を告発したのか
第4章 日本はどのように対応したのか
第5章 判決はいかにして書かれたのか
第6章 なぜ第二次東京裁判は実施されなかったのか
第7章 戦犯釈放はいかにして始まったのか
第8章 なぜA級戦犯は釈放されたのか

ISBN:9784062879248
出版社:講談社
判型:新書
ページ数:412ページ
定価:1100円(本体)
発行年月日:2008年01月
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:LB