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世の中への扉

ナックの声が聞きたくて!

“スーパー・ベルーガ”にことばを教えるイルカ博士

著:村山 司

紙版

内容紹介

イルカとお話することはできるのか--。高校時代に抱いた夢を追いかけ、研究をつづけてきた村山司教授が、鴨川シーワールドで飼育されているシロイルカ(ベルーガ)のナックと出会い、言葉を覚えさせることができるのかという奮闘の20年間を描きます。彼らの目に見えたモノと言葉を結びつける訓練、人の声をマネして鳴き声を出させる訓練といったように、どんどんナックが“スーパー・ベルーガ”に成長していく姿を描きます。


本書の著者、東海大学海洋学部の村山司教授が、イルカが人の言葉をまねられることを世界で初めて証明し、国際心理学誌電子版に発表! いま、ニュース、ワイドショーで話題沸騰中のイルカ博士。その20年の奮闘を描きます。

イルカとお話することはできるのか--。高校時代にアメリカの映画『イルカの日』を観て以来、夢のようなテーマを追いかけつづけてきた村山司教授が、鴨川シーワールドで飼育されているシロイルカ(ベルーガ)のナックと出会い、言葉を覚えさせることができるのかという奮闘の20年間を描きます。知能テスト、彼らの目にはモノがどう見えているのか、モノと言葉を結びつける訓練、そして、人の声をマネして音を出させる(鳴き声を出させる)訓練といったように、段階を追って、“スーパー・ベルーガ”ナックはどんどん知識を吸収していきます。

そうしたユニークな訓練風景のほか、どうしてイルカは頭がいい動物なのかといった村山教授による解説も盛り込みます。

この本を読んだ後、水族館のイルカショーを見てみてください。もっともっとイルカのすごさが伝わってくるはずです。

目次

はじめに
イルカがしゃべった!?/動物と話したい
【第一部】イルカと話したい! 
第1章 ナックとの出会い
「だれと」話そうか/運命的な偶然/カナダ生まれのシロイルカ/マリンシアターの三頭/“スーパー・ベルーガ”ナック
第2章 イルカって、どんな動物?
「イルカ」という動物/イルカの祖先/水に入って得たもの、失ったもの/イルカならではの特徴/群れのイルカ/大きな脳/イルカを研究する/船酔いと研究
【第二部】ナックといっしょに実験!
第1章 イルカから見た世界――ヒトと同じように理解できるか
ことばを教える前に/イルカの視力/色はわかるのか/形はどう見えているのだろう/くるくる回って見える?/イルカも錯覚を起こす?/数がわかるイルカ/思い込みが招いた失敗
第2章 ものをあらわす「記号」を教えたい
実験はいつやるの?/機嫌が悪いと……/ものには「名前」がある/新メンバーは「フンタッチャブル」/単語の覚え方/まずは見慣れたものから/実験場所はマリンシアターの空気中/フィンを記号であらわす/マスクは「R」/いちばん強いのはだれ?/「その逆」ができない!?/イルカの経験のせい/
第3章 ものの名前を“ナック語”で呼ぶ
“ナック語”を決めよう/「答えなさい」の赤いライト/ナックはなにを食べてるの?/フィンをあらわす鳴き方/ものによって鳴き分けさせる/リスニングテスト/餌をもらえないのに/ナックの応用力
第4章 「読める」ようになったナック
バケツと長グツも記号であらわせた/一〇年後の奇跡?――「勉強すれば賢くなる」/「読める」イルカの完成/すばらしい記憶力/実験が楽しくて/読んだり、しゃべったり……
第5章 「ツゥ、カァ、サッ!」
イルカはマネ上手/マネを覚えたナック/ヒトの声をマネできた/「ツゥ、カァ、サッ」
おわりに~ナックと話す日

著者略歴

著:村山 司
1960年、山形県生まれ。東京大学大学院博士課程修了。農学博士。水産庁(現・水産総合研究センター)水産工学研究所、東京大学を経て、現在、東海大学海洋学部教授。主に飼育下のイルカを対象として、視覚能力や認知機構の解明に取り組んでいる。主な著書に『イルカが知りたい どう考えどう伝えているのか』『海に還った哺乳類 イルカのふしぎ』(いずれも講談社)、『海獣水族館』(東海大学出版会)、『イルカの認知科学』(東京大学出版会)などがある。

ISBN:9784062870061
出版社:講談社
判型:4-6
ページ数:173ページ
定価:1200円(本体)
発行年月日:2014年07月
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:YNN
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:PSVM