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講談社文庫

ヘヴン

著:川上 未映子

紙版

内容紹介

2022年「ブッカー国際賞」最終候補作!

かつて見たことのない世界が待ち受ける。

芸術選奨文部科学大臣新人賞・紫式部文学賞 ダブル受賞

<わたしたちは仲間です>――十四歳のある日、同級生からの苛めに耐える<僕>は、差出人不明の手紙を受け取る。苛められる者同士が育んだ密やかで無垢な関係はしかし、奇妙に変容していく。葛藤の末に選んだ世界で、僕が見たものとは。善悪や強弱といった価値観の根源を問い、圧倒的な反響を得た著者の新境地。

◆ニューヨーク・タイムズ
……この小説の不協和音は息を呑むようなラストの完璧なビジョンになり、それは意味、美しさ、そして人生を肯定する根拠になる。川上のような複雑な作家による、稀にみるこの、深遠でありながら満ち足りた物語の終わらせかた。彼女の作品を読むと、彼女が何も恐れない作家だということがわかる
◆ロンドン・レビュー・オブ・ブックス
川上は、抽象的でとても大きな問題を奇妙なほど直接的で個別の問題であるようにひとつの皿の上に提示して見せる
◆フィナンシャルタイムズ
……終盤、読者はその直感的な細部と哲学的な複雑さに眩暈がするほど夢中になり、そして到来するツイスト、それは予想不能の奇妙な力であなたを襲う
◆インディペンデント
『ヘヴン』を読むと、まるで美しくも残酷な10代の少年が自分の胸に座っているような気持ちになる
◆オプラ・デイリー
昨年、賞賛を浴びた『夏物語』の著者による思春期の呪われた洞窟を舞台にした痛烈なオデッセイ

著者略歴

著:川上 未映子
大阪府生まれ。2007年、『わたくし率 イン 歯ー、または世界』で早稲田大学坪内逍遙大賞奨励賞受賞。2008年『乳と卵』で芥川賞、2009年、詩集『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』で中原中也賞、2010年『ヘヴン』で芸術選奨文部科学大臣新人賞および紫式部文学賞、2013年、詩集『水瓶』で高見順賞、『愛の夢とか』で谷崎潤一郎賞、2016年、『あこがれ』で渡辺淳一文学賞をそれぞれ受賞。また、短編「マリーの愛の証明」がGranta Best of Young Japanese Novelists 2016に選出。2019年、『夏物語』で毎日出版文化賞を受賞、本作は英米、独、伊などでベストセラーになり、世界40ヵ国以上で刊行予定。その他、『すべて真夜中の恋人たち』『春のこわいもの』、村上春樹との共著『みみずくは黄昏に飛びたつ』など著作多数。

ISBN:9784062772464
出版社:講談社
判型:文庫
ページ数:320ページ
定価:680円(本体)
発行年月日:2012年05月
発売日:2012年05月15日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ