出版社を探す

講談社文庫

失敗学のすすめ

著:畑村 洋太郎

紙版

内容紹介

“成功の母”がここにある! 創造力が高まりミスが減るノウハウ。恥や減点の対象ではなく、肯定的に利用することが、失敗を生かすコツ。個人の成長も組織の発展も、失敗とのつきあい方で大きく違う。さらに新たな創造のヒントになり、大きな事故を未然に防ぐ方法も示される――。「失敗は成功の母」を科学的に実証した本書は、日本人の失敗に対する考えを大きく変えた!

目次

プロローグ 失敗に学ぶ
 失敗は成功の母
 陰の世界の情報伝達
 なぜ致命的な失敗が続くのか
 失敗のプラス面に目を向けよう
第一章 失敗とは何か
 「人間が関わっている」「望ましくない結果」、それが失敗
 「失敗学」が生まれた理由
 なぜ失敗に学ぶ必要があるのか
 社会を発展させた三大事故

第二章 失敗の種類と特徴
 失敗には階層性がある
 よい失敗、悪い失敗
 失敗原因を分類する
 大失敗を誘発する樹木構造

第三章 失敗情報の伝わり方・伝え方
 失敗情報は伝わりにくく、時間が経つと減衰する
 失敗情報は隠れたがる
 失敗情報は単純化したがる
 失敗原因は変わりたがる

第四章 全体を理解する
 解を求める学習で得た知識と体感学習で得た知識は違う
 日立での貴重な二年間
 空母大鳳はなぜ爆発したか
 まずは行動してみよう

第五章 失敗こそが創造を生む
 論理的思考のウソ
 思考平面上にアイデアの種が落ちてくる
 大切なのは「仮想演習」をすること
 アイデアの種は大胆に切り捨てる

第六章 失敗を立体的にとらえる
 「潜在失敗」を含み損としてとらえる──経済と失敗
 「訓練失敗」を組み入れる──人の心理と失敗
 懲罰的賠償制度と司法取引──法律と失敗
第七章 致命的な失敗をなくす
 技術の成熟と利益追求
 すべての組織が陥る病
 「まさかこんなことが起こるとは思わなかった」のウソ
 局所最適と全体最悪

第八章 失敗を生かすシステムづくり
 二万個の失敗情報を集めても意味はない
 必要な失敗情報は最大三百個
 知識と経験を与える場づくり
 失敗を生かすと得になる仕組み
 失敗博物館
エピローグ 失敗を肯定しよう
 日本企業の抱える病根
 マネ文化の限界
 そして失敗は続く
あとがき
文庫版あとがき

ISBN:9784062747592
出版社:講談社
判型:文庫
ページ数:320ページ
定価:680円(本体)
発行年月日:2005年04月
発売日:2005年04月15日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KJ