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健康ライブラリーイラスト版

嚥下障害のことがよくわかる本

食べる力を取り戻す

監:藤島 一郎

紙版

内容紹介

嚥下障害は食物をうまく飲み込めない状態のこと。脳卒中などの病気や加齢による筋肉の減少、治療薬の影響など原因はさまざま。この状態を放置しておくと窒息、誤嚥、低栄養といった命にかかわる事態もまねく。治療やリハビリはどのように進めるのか。口から食べられないときの選択肢は……。本書は医療機関での取り組みをはじめ、家庭でもできる訓練法や口腔ケア、安全な食べ方・調理法などを徹底図解した決定版!


ひと目でわかるイラスト図解
《講談社 健康ライブラリーイラスト版》

【「口から食べること」をすぐにあきらめない!】
嚥下障害とは食物をうまく飲み込めない状態のこと。
口から安全に食べ続けるためには、食べる力の維持、あるいは回復させる取り組みが必要です。
家庭でもできる訓練法、口腔ケア、安全な食べ方・調理法など、誤嚥をふせぎ、食べる力を取り戻すリハビリ術を徹底解説します。

【まえがきより】
口からうまく食べられない状態を、嚥下障害、あるいは摂食嚥下障害といいます。
嚥下とは飲み込むことを指す言葉。つまり口から胃にスーッと流れ込むはずの食物が途中で止まってしまったり、肺につながる気管のほうに入ってしまう誤嚥を引き起こしやすくなったりする状態が嚥下障害(摂食嚥下障害)です。
嚥下機能の低下は、窒息を起こしやすくするだけでなく、誤嚥性肺炎という、高齢者にもっとも多いタイプの肺炎を引き起こす原因にもなってしまいます。肺炎は、現在、日本人の死因の第三位。高齢者にとっては、まさに命にかかわる重大な病気です。
「食事中によくむせる」「食べこぼしが多い」などの症状を「ああ、またか」と見過ごしていませんか? これらは嚥下障害で起こりやすいサインです。口から安全に食べ続けるためには、食べる力の維持、あるいは回復させる取り組みが必要です。(藤島一郎)

【本書の主なポイント】
●嚥下障害は食物をうまく飲み込めない状態のこと
●わずかな誤嚥が重い病気「誤嚥性肺炎」につながる
●どこを受診すればいいのか。嚥下障害に取り組む専門職とは
●嚥下リハビリには、食べる力をアップさせる体操や各種の訓練をはじめ、さまざまな取り組みがある
●食べられないときも口内を清潔に。汚れの放置で肺炎の危険性も高まる
●誤嚥を防ぐ安全な食べ方、おすすめ・要注意の食品、調理・献立の工夫
●口から十分に食べられないときの選択肢
●胃ろうにしても「口から食べられなくなる」とはかぎらない
●嚥下機能を改善するための手術と誤嚥防止の手術

目次

《 1 口からうまく食べられない、飲み込めない》
【考えておこう】食べることには栄養摂取以上の意味がある
【摂食嚥下とは】じつは複雑で精巧な「食べる」しくみ
【嚥下障害とは】飲み下す前の段階に問題があることも/ 始まり方にはいろいろなパターンがある
【試してみよう】日頃の様子をチェックしてみよう/ 三〇秒間でつばを何回飲み込めるか
【嚥下障害の影響】窒息、誤嚥、低栄養……命にかかわる事態も
【誤嚥性肺炎】わずかな誤嚥が重い病気につながる/ 知っておきたい「肺炎かも?」のサイン
《 2 状態をつかんで対策を立てる》
【かかわる人】チームでのサポートが必要になる
【状態をつかむ】誤嚥の有無と嚥下の状態を調べる/ ふだんの食べ方からレベル分けする
【対策の基本】すぐあきらめずに多角的な取り組みを
【目標を定める】原因しだいで今後の見通しは変わる/ 状態に合わせて無理のない目標をもつ
《 3 基礎訓練と治療で機能アップ》
【嚥下障害のリハビリ】食物を使わない基礎訓練と食べながら進める摂食訓練がある
【やってみよう】顔のマッサージで口の動きを改善する/ のどのアイスマッサージで飲み込みを促す/ 食べるための筋力を鍛えよう/ 咳の練習、呼吸訓練も効果的/ 嚥下体操はセットで続けていこう
【口腔ケア】
【歯科での治療】
【外科的治療】
《 4 誤嚥を防いで安全に食べるために》
【口から食べる】水が飲めれば摂食訓練を始められる
【毎日の習慣】食べ続けるために習慣づけが必要
【安全な食べ方】飲み込みやすく誤嚥しにくい姿勢をとる/ よくかんでごくん。ゆっくり一口ずつ
【緊急時の対応】むせたり、窒息したりしたときは
【なにを食べるか】飲み込みやすい「嚥下食」にはレベルがある
【おすすめ食品】基本は「ぷるん」「つるん」のゼラチンタイプ
【要注意の食品】「ばらばら」「ぱさぱさ」「ぺったり」は避ける
【調理の工夫】【献立の工夫】
《 5 十分に食べられなくなったら》
【経管栄養とは】【管を入れたら】【鼻や口から入れる】
【胃ろうをつくる】【起こりやすい問題】【だれが判断するか】

著者略歴

監:藤島 一郎
1953年東京都に生まれる。東京大学農学部にて森林植物学を学んだのち浜松医科大学医学部へ進学。1982年同大を卒業。脳神経外科で研鑽を重ねる。聖隷三方原病院リハビリテーションセンター長などを経て、浜松市リハビリテーション病院長。現在に至る。日本脳神経外科学会専門医、日本リハビリテーション医学会認定臨床医・専門医。日本嚥下医学会理事長。摂食嚥下障害リハビリテーションの第一人者として活躍している。

ISBN:9784062597869
出版社:講談社
判型:A5変
ページ数:100ページ
定価:1400円(本体)
発行年月日:2014年09月
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:VFD
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:MJ