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四百三十円の神様

著:加藤 元

紙版

内容紹介

「四百三十円の神様」
子供の頃からプロ野球になるという夢を追い続けてきた大学野球の大型遊撃手。ケガでプレーすることを断念し、友人の代理で入ったバイト先の牛丼屋で起こった小さな奇跡が、青年の心にほのかだが確かな灯りをともす。
「あの川のほとりで」
父から引きついた割烹を切り盛りする初老の男。妻との間にはすきま風が吹いて、口論が絶えず、息子たちとの関係も微妙な今日この頃。疲れた頭と身体を癒そうと釣りに出かけた渓流の河原で、すっかり忘れ去っていたが、心の奥底で最も会いたかった人に出会う。
「いれずみお断り」
肩を怒らせ、社会を斜めに押し切るように生きてきたアウトローが、年をとってすっかり落ちぶれた――そんな老人と病気の子猫を通してかかわってしまった獣医。迷惑しか被っていないと思っていたのに、その孤独な死を看取ったとき、思いもしなった感情が噴き出す。
「腐ったたぬき」
同級生に誘われて参加した高校の文芸部の「研究会」という名のディスカッション。今回の題材はなんと『文福茶釜』。繰り広げられるのは、曲解の嵐、荒唐無稽、抱腹絶倒のバトルロイヤルだった!?
他に「ヒロイン」「九月一日」「鍵は開いた」の三編を収録。

目次

四百三十円の神様
あの川のほとりで
いれずみお断り
ヒロイン
腐ったたぬき
九月一日
鍵は開いた

著者略歴

著:加藤 元
1973年、神奈川県に生まれ、東京下町に育つ。日本大学芸術学部中退。さまざまな職業を経て、2009年、『山姫抄』(講談社文庫)で第四回小説現代長編新人賞を受賞しデビュー。2012年、『泣きながら、叫んだ人』(小学館)を刊行。盛岡「さわや書店」のオススメ本・年間一位に選ばれる。著書には、『嫁の遺言』、『キネマの華』、『私がいないクリスマス』(講談社文庫)、『金猫座の男たち』(双葉社)、『ひかげ旅館へいらっしゃい』(早川書房)、『四月一日亭ものがたり』(ポプラ文庫)、『蛇の道行』(講談社)などがある。猫と落語、大相撲と阪神タイガースをこよなく愛す。

ISBN:9784062202220
出版社:講談社
判型:4-6
ページ数:288ページ
定価:1500円(本体)
発行年月日:2016年08月
発売日:2016年08月06日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ