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在宅ホスピスノート

著:徳永 進

紙版

内容紹介

「診療所を開設した当時から、家で最後の日々を送ろうとする人たちの力になりたいと思っていた。在宅を専門とする看護師もやってきて、病棟と在宅の両方でホスピスケアを実践していくことになった。2013年からは、在宅ホスピスがもっと広がっていくよう、工夫のいくつかを重ねた」(「はじめに」より)。徳永進医師と野の花診療所スタッフの日々を描くエッセイ。


著者の徳永進医師は、ホスピスというものがまだあまり知られていない2001年、郷里の鳥取で19床の野の花診療所を開設、人生の最後の日々を送る患者やその家族と向き合ってきた、日本のホスピス医療の先駆者のひとりです。

また、病院勤務医時代の1982年には講談社ノンフィクション賞を『死の中の笑み』で受賞、優しくわかりやすい言葉で、臨床の現実と深い思索を伝える名エッセイストとしても知られています。

徳永さんの野の花診療所は、数年前から、自宅で最後の日々を過ごしたいという人たちのための在宅ホスピスに、軸足を移すようになってきました。

「診療所を開設した当時から、家で最後の日々を送ろうとする人たちの力になりたいと思っていた。在宅を専門とする看護師もやってきて、病棟と在宅の両方でホスピスケアを実践していくことになった。2013年からは、在宅ホスピスがもっと広がっていくよう、工夫のいくつかを重ねた」(本書「はじめに」より)

在宅ホスピスを美化するのではなく、家に帰りたいという気持ちがあれば、それも選択肢として大事に支える、誰でも大丈夫、という在宅ホスピスを、徳永さんは考えているそうです。

人の死というものを自然なかたちで人々の生活のなかに取り戻したい、という思いも、どこかにあるそうです。

けっして「きれいごと」ではなく、徳永さんと野の花診療所の看護師・スタッフの試行錯誤や工夫、思いも含めて率直につづる、ぬくもりのあるノンフィクション・エッセイです。

「具体的で実用的で感動的! 
この本は人生そのものを語る」
(谷川俊太郎氏より)

目次

第1章 患者さん、家族とともに 
在宅の使徒/枝豆と赤イカ/夏市の人たち/ひとり死/若き家具職人
第2章 なぜ在宅ホスピスなのか  
在宅という鉱脈に触れたころ/「あの小便器、気に入らん」から始まった/久利さんち/家の神
第3章 野の花診療所のこころみ  
そうだ、公民館だ/在宅と看護/21人の△/在宅心得帖/在宅と難渋/「野の花置き薬」
第4章「やっぱり家はいいな」を支える  
縁側のある家/奇跡の旅/石楠花の咲く家/ひとりの旅/西日が射す部屋/
在宅の日々

著者略歴

著:徳永 進
1948年、鳥取県生まれ。京都大学医学部卒業。鳥取赤十字病院内科部長を経て、2001年12月、鳥取市内に、ホスピスケアのある有床診療所「野の花診療所」を開設。2002年に在宅ホスピスも始め、2013年からは診療所の活動の中心としてきた。
1982年、『死の中の笑み』(ゆみる出版)で第4回講談社ノンフィクション賞受賞。1992年、第1回若月賞(地域医療に貢献した人に贈られる賞)受賞。著書に『こんなときどうする?』『心のくすり箱』(ともに岩波書店)、『ケアの宛先』(鷲田清一氏との共著、雲母書房)など。

ISBN:9784062195416
出版社:講談社
判型:4-6
ページ数:240ページ
定価:1300円(本体)
発行年月日:2015年06月
発売日:2015年06月19日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:VFD