化け札
著:吉川 永青
紙版
内容紹介
騙して、化けて、また、騙す。戦国の「化け札」=ジョーカー、真田昌幸。武田家滅亡後、織田、北条、上杉という大大名に囲まれながら、策謀をめぐらし、裏切りを繰り返して、天下をうかがう。昌幸の前に立ちはだかるのは、名将徳川家康と大軍勢。あまりに巨大な敵に、どう立ち向かうのか。生き残ることはできるのか。『誉れの赤』で新風を吹き込み、『決戦!関ヶ原』で名を上げた作者が、戦国随一の策士を描く書き下ろし長編。
外道、大いに結構。
俺は、天下を動かす札になる!
「表裏比興の者」――秀吉が評し、家康が最も畏れた男
武田家滅亡時、真田家は周囲に攻め込まれたら一瞬で消し飛ぶ運命であった。昌幸は、主家武田を見限り、北条に降ると見せかけて、織田信長につく。信長が横死すると、旧領回復を画策し、弟を人質に上杉景勝に従属するが、わずかひと月で北条に鞍替えする――。戦乱を変幻自在に立ち回り、世を化かす昌幸の前に立ちはだかるのは、名将徳川家康と大軍勢、あまりにも巨大な敵に、どう立ち向かうのか。そして生き残ることはできるのか――。
「やはり、この片田舎は天下に通じている!」
『誉れの赤』『決戦!関ヶ原』歴史小説界の切り札が、戦国の「化け札=ジョーカー」真田昌幸を描いた渾身の書き下ろし長編。
目次
第一部 天正壬午の乱
一 変人の正義
二 武田滅びて
三 表裏比興の者
四 潮の満ち引き
五 信とは何か
六 不実な結末
第二部 上田合戦
一 新たな居城
二 主従駆け引き
三 小牧と信濃
四 上田の風雲
五 小勢の用兵
六 化かし続けよ