出版社を探す

働くアリに幸せを

存続と滅びの組織論

著:長谷川 英祐

紙版

内容紹介

生きづらい世の中。「この世の憂さ」そのものと言える「社会」とは何のためにあるのだろう。生物の社会を見ていくことは人の社会の本質を探るうえで大きなヒントとなる。「組織」と「個」の利益が対立するとき、アリをはじめ生物たちがどのように対処しているのか。そして「アリとヒトの違いとは何か」「『ヒト』を『人』たらしめているのは何か」という哲学的な問題までを、ベストセラー『働かないアリに意義がある』の著者が探る


なぜ、この世は生きづらいのか――?
自分の意のままにならない他者とともに生きなければならない「社会」を持っている私たち人間。もし社会に参加しなくても生きていけるなら、煩わしさがなく、コストを払わなくても済む分だけ、一人でやる方がよいとすら思ってしまう。滅私奉公などご免である。では、なんのために社会なんかあるのだろうか?
生物の社会を見ていくことは、人の社会の本質を探るうえで大きなヒントを与えてくれる。
「浮き世の憂さ」とは、まさに「組織の利益」と「個の利益」が真っ向から対立すること。そんなとき、アリをはじめとする生物たちがどのように対処しているのか。さらには、「アリとヒトの決定的な違いとは何か」「そもそも『人』とは何か」「『ヒト』を『人』たらしめているのは何か」という哲学的な問題までを、進化生物学者で、ベストセラー『働かないアリに意義がある』の著者が探っていきます。

目次

●プロローグ ~生きづらい世の中で
●第1章/なぜ、組織・社会が存在するのか ~一人で生きた方が楽?
●第2章/「みんなのため」は「僕のため」じゃないかもしれない
●第3章/組織との利害対立に煩悶する私たち
●第4章/なぜ人では組織の効率が優先されやすいのか
●第5章/「短期的効率」と「長期的存続」は両立しない
●第6章 生き延びようとすると生き延びられない
●第7章 ヒトはアリを越えてゆけるか
●エピローグ ~私たちがこの世に生きるということ

著者略歴

著:長谷川 英祐
進化生物学者。北海道大学大学院農学研究院准教授。動物生態学研究室所属。
1961年、東京都生まれ。子どもの頃から昆虫学者を夢見る。大学時代から社会性昆虫を研究。卒業後は民間企業に5年間勤務。その後、東京都立大学大学院で生態学を学ぶ。主な研究分野は、社会性の進化や、集団を作る動物の行動など。特に、働かないハタラキアリの研究は大きく注目を集めている。趣味は、映画、クルマ、釣り、読書、マンガ。
著書に、ベストセラーとなった『働かないアリに意義がある』、『縮む世界でどう生き延びるか?』(いずれもメディアファクトリー新書)などがある。

ISBN:9784062185868
出版社:講談社
判型:4-6
ページ数:223ページ
定価:1300円(本体)
発行年月日:2013年09月
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PDZ
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:PSV