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がんワクチン治療革命

がんと戦うための三つの武器とは?

著:中村 祐輔

紙版

内容紹介

中村教授が長年取り組んできた「がんペプチドワクチン」は、これまでの漠然とリンパ球をふやす免疫療法とは違い、ずるがしこく免疫の目を逃れようとするがん細胞を発見し攻撃するキラーT細胞(CTL・細胞傷害性T細胞)を活性化してがん細胞を消滅させる。2012年11月18日のNHKスペシャル「がんワクチン~夢の治療薬への格闘~」でも紹介されたワクチンの全容と、中村教授が患者さんい伝えたいがんとの戦い方


2012年2月6日、ヒトゲノム解析の第一人者である中村祐輔シカゴ大学医学部教授は、NHKの番組『あさイチ』が特集した「驚き! がんワクチン治療最前線」に出演した。中村教授が長年取り組んできた、がんの新薬=がんペプチドワクチン驚異の臨床報告。アメリカで「第4の療法」としてついに本格的に位置付けられたワクチン療法(特異的免疫療法)の開発の最前線で、末期がんが消えた!という驚くべき臨床例が。21世紀の医学は、ここまでがんを追い詰めた! 抗がん剤のような副作用もなく、また、外科手術のような身体的負担もない新療法。がん研究・治療の最先端をゆく中村教授から、がん患者とそのご家族に伝えたいがんとの戦い方と、2012年11月18日のNHKスペシャル「がんワクチン~夢の治療薬への格闘~」でも紹介されたワクチンの全容。
「私は最後まで希望を捨てません。だから、けっしてあきらめないで。がんと戦ってください」・・・・・・世界のナカムラが、がん患者に「希望」を届けたい一心で開発した
「がんペプチドワクチン」。巷にあふれる科学的実証がされていないワクチン療法と、どこが違うのか――がんと戦う勇気の出る治療最前線!

目次

序章  がんと戦うことをあきらめてはいけない理由
NHK『あさイチ』に生出演/がん患者の方すべてが適切な治療を受けるために/インフォームド・コンセントへの疑問/ほか
第1章 転移のある末期がんが消えた! 最新医学はここまでがんを追いつめた
「がんが消えた!」と紹介された3歳女児のお母さん/余命1年半と宣告された肺がんが消えた/転移した大腸がんが肺に転移して5年、車の運転ができるように/手弁当で集まってくれた医師たちの熱意/「がん難民」となった患者さんのために正しい情報を提供する/ほか
第2章 がんペプチドワクチンとはなにか 臨床研究・治験をしていない高額医療との違いについて
ネット上にあふれる免疫療法情報/ワクチンとがんワクチンの違い/したたかでずるがしこいがん細胞/フランスで治験が始まった「大学発」の抗体薬/ほか
第3章 近藤誠氏の「がんもどき理論・がん放置療法」への疑問 医学は科学であり医は仁術である
断定! がんもどきは存在しません/前立腺がんのPSA検査は本当にムダなのか/白血病の特効グリベック/がんをピンポイントで狙い撃つ分子標的薬とは/近藤氏の態度に医師は疑問を持たないのでしょうか/ほか
第4章白衣の詐欺師に気をつけて 「がん新療法」徹底検証
医は仁術ならぬ錬金術?/保険診療と自由診療と混合診療/未承認で高額な医療を検証する◎温熱療法◎遺伝子治療◎自律神経免疫療法◎活性化リンパ球治療◎NK細胞療法◎樹状細胞療法/高額療法への対処法/ほか
第5章がん医療の近未来 この国の「政・官・医」という病
このままでは医療植民地になってしまう/優秀な基礎研究者のいるいまはまだ救いがある/光を消して影ばかりを強調するマスコミ/肺がんの分子標的薬・イレッサのこと/ほか
おわりに 私を「がん征圧」に駆り立てる重い言葉

著者略歴

著:中村 祐輔
1952年大阪府生まれ、大阪大学医学部卒業、医学博士。阪大附属病院、市立堺病院で外科医として勤務後、渡米、ユタ大学人類遺伝学教室助教授に。帰国後、癌研究会癌研究所生化学部長などを経て1994年 東京大学医科学研究所教授、1995年同研究所ヒトゲノム解析センター長。2005年理化学研究所ゲノム医科学研究センター長(併任)。2011年 1月 から、内閣官房参与・内閣官房医療イノベーション推進室長を併任。同年12月、同室長を辞任、渡米。現在、シカゴ大学医学部教授・個別化医療センター副センター長。【中村祐輔研究室】http://www.ims.u-tokyo.ac.jp/nakamura/main/top.html

ISBN:9784062171090
出版社:講談社
判型:4-6
ページ数:238ページ
定価:1400円(本体)
発行年月日:2012年12月
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:VFD
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:MNC