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ナースが視る病気

看護のための疾病論

著:薄井 坦子

紙版

内容紹介

【看護学的病気観をビジュアルに提示した画期的な書】
看護学生、臨床ナース、看護にたずさわるすべての人々に必携!

よりよい看護につながる病気のとらえ方とは--。
人間が病むということを、医師の視線ではなく、ナ-スの視線で理解するにはどうすればよいのか--。
その方法論を看護界の第一人者がビジュアルに提示した待望の書。

【本書の特長】
●どのような生活のしかたが病気を招くのか、年代ごとに病気はどのような現れ方をするのかなど、生活やライフサイクルとの関連で病気を把握できる内容。
●「衰えておこる病気」「有害物質によって毒されておこる病気」に病気を大きく分け、その観点から、全身および人体各部の障害をわかりやすく解説。
●より適切な看護方針をたてるために「病む人」をどのようにとらえればよいのか? そのための具体的な方法を事例ページを設置して提示。
●看護学的病気観への理解をたすける概念図、病気の状態や成り立ちを表すカラーイラスト・図版・写真など約300点を収載したビジュアルな構成。

【本書のおもな内容】
《1 病気は健康の法則に反した生活の結果である》
《2 健康は細胞の健康度に左右される》
《3 人間を統合する脳の働きの障害》
《4 生命を維持する働きの障害》
《5 食物を消化、吸収する働きの障害》
《6 内部環境を維持する働きの障害》
《7 行動範囲を拡大する働きの障害》
《8 生活をつくりだす働きの障害》
《9 生命の連続性を維持する働きの障害》
《索引》

目次

《1 病気は健康の法則に反した生活の結果である》
人間生活に対応する看護/人間生活の構造と健康の法則/病気とは、看護とは/看護の視点から病気を類別する/対象を全人的にみつめる
《2 健康は細胞の健康度に左右される》
人間は〈よく生まれ、よく育まれ、よく働かせる〉ようにつくられている/健康は細胞のつくりかえによって維持される/人間に必要な物質と有害物質/細胞の生命を脅かす力/がんの本質とケアの方向
《3 人間を統合する脳の働きの障害》
ライフサイクルにおける脳の発達/脳の健康を保つ仕組みとその障害/脳におこる衰え群の病気/脳におこる毒され群の病気/心を病むとはどういうことか/事例―認知症の症状が出現した患者
《4 生命を維持する働きの障害》
生命維持のプロセスとその拡大/ライフサイクルにおける心肺機能とその障害/呼吸、循環、体温のつながりとその障害/不可逆換気障害とその予防/生命を維持する物質の運搬システムの破綻/細胞外液の循環不全をおこす病気/開胸術を受ける患者へのケア/ターミナル・ケア/事例―急性骨髄性白血病の患者
《5 食物を消化、吸収する働きの障害》
人間の食行動への認識のかかわり/摂食を妨げる病気の予防/消化、吸収を妨げる衰え群の病気/消化、吸収を妨げる毒され群の病気/事例―潰瘍性大腸炎で人工肛門を造設した患者
《6 内部環境を維持する働きの障害》
内部環境を調整する〈沈黙の臓器〉/〈沈黙の臓器〉が衰え毒される長いプロセス―1~3/事例―糖尿病から血液透析導入にいたった患者
《7 行動範囲を拡大する働きの障害》
下肢の機能とその発達/ライフサイクルに生じる下肢の病気/衰退期の下肢の病気/下肢機能の喪失と再獲得/事例―多発性硬化症、血管炎をもつ患者
《8 生活をつくりだす働きの障害》
上肢機能の発達とその活用/ライフサイクルに生じる上肢の病気/慢性経過をたどる上肢の病気/上肢機能再獲得のプロセスと支える力/事例―上肢不全切断をおこした患者
《9 生命の連続性を維持する働きの障害》
生命の連続性をつくりだす/性差にともなう病気と治療/母と子のつながりとその異常/病気をもった子供を育む/事例―重症妊娠高血圧症候群の患者
《索引》

著者略歴

著:薄井 坦子
1932年広島市に生まれる。お茶の水女子大学文教育学部教育学科卒。東京大学医学部衛生看護学科卒。日本医師会、東京女子医大病院、東京女子医大附属高等看護学校、同看護短大、千葉大学看護学部教授、宮崎県立看護大学学長を歴任。千葉大学名誉教授、宮崎県立看護大学名誉教授。

〔主著〕
基礎看護学2(共著、医学書院)
ナイチンゲール著作集(共編訳、現代社)
科学的看護論(日本看護協会出版会)
看護方法実習書(現代社)
ナースが視る人体(講談社)

ISBN:9784062047845
出版社:講談社
判型:A4変
ページ数:114ページ
定価:3883円(本体)
発行年月日:1994年