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講談社文芸文庫

蝶が飛ぶ 葉っぱが飛ぶ

著:河井 寛次郎
著:柳 宗悦
解説:河井 須也子

紙版

内容紹介

生涯一陶工として、土と火に祈りを込めた河井の純粋なる魂

陶芸家としての名声に自ら背を向け同志柳宗悦、濱田庄司と民芸運動を立ち上げた河井。「美を追っかける」世界から、名もなき職人仕事、工業製品の如き「美が追っかける」世界へ、さらに晩年は用途を超えた自由奔放な造形美の宇宙へ……。京都五条坂に登り窯をすえ、暮らし、仕事、美の三位一体、生涯を一陶工として貫徹した河井の純粋なる魂の表白。平易でありながら深遠な味わい深い文章を精選して収録。

河井寛次郎
私は木の中にいる石の中にいる、鉄や真鍮の中にもいる、人の中にもいる。1度も見た事のない私が沢山いる。始終こんな私は出してくれとせがむ。私はそれを掘り出したい。出してやりたい。私は今自分で作ろうが人が作ろうがそんな事はどうでもよい。新しかろうが古かろうが西で出来たものでも東で出来たものでも、そんな事はどうでもよい、すきなものの中には必ず私はいる。私は習慣から身をねじる、未だ見ぬ私が見たいから。――<本文「手考足思」より>

ISBN:9784061984226
出版社:講談社
判型:文庫
ページ数:242ページ
定価:1700円(本体)
発行年月日:2006年01月
発売日:2006年01月11日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:WFN