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講談社現代新書

漱石と三人の読者

著:石原 千秋

紙版

内容紹介

漱石がわかる。小説がわかる。近代がわかる――画期的な文学入門書の登場! 漱石の作家活動とは読者との闘争だった! 新聞小説の読者である大衆をどう喜ばせるか。本郷文化人に自らの小説観をいかに伝えるか。漱石は作品ごとに大胆な実験を次々と行なった──。


小説は実験である!
あなたは漱石のたくらみを知っているか

漱石がわかる。小説がわかる。近代がわかる。――画期的な入門書の登場!

漱石の読者体験
まず、デビュー作の『吾輩は猫である』では自らを戯画化して書いているが、まだ素人作家だった漱石にも、自分が抱えていた鬱憤をそのまま吐き出しても読者には受け容れられないことぐらいはわかっていたのである。しかし、これはごく素朴な読者意識でしかなく、この時の漱石はまだごく身近な「顔の見える存在」に向けてしか書いてはいない。(中略)朝日新聞社の専属作家となった漱石は、入社第1作『虞美人草』によって手痛い失敗を体験した。読者は、漱石が「殺す」つもりで書き込んだ藤尾というヒロインを熱烈に支持したのである。――<本文より>

目次

第1章 夏目漱石という文化
第2章 小説と格闘した時代
第3章 英文学者夏目漱石と小説
第4章 『虞美人草』の失敗
第5章 『三四郎』と3人目の読者
第6章 『こゝろ』と迷子になった読者
第7章 まだ見ぬ読者へ

ISBN:9784061497436
出版社:講談社
判型:新書
ページ数:256ページ
定価:760円(本体)
発行年月日:2004年10月
発売日:2004年10月23日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ