講談社現代新書
ヒンドゥー教
著:K.M.セーン
訳:中川 正生
監:橋本 泰元
紙版
内容紹介
ジュニャーナ カル バクティ
インド思想のすべて
知識、行為、信愛──これらが神にいたる3つの道。その道程において、生と死、魂の救済、環境との調和など根源的な問いかけを発し続けてきたヒンドゥー教の成果と実践の姿を解説。
●理想的な一生──人間の理想的な一生は4つの段階(四住期)からなっているとされる。第1は学生期、すなわち訓練と教育の期間、第2は家住期、すなわち一家の主人となり社会で積極的に活動する期間、第3は林住期、すなわち俗世との縁を断って森に退く期間、第4は遊行期、すなわち隠者となる期間、の4つである。……ヒンドゥー教では出家が重視されているにもかかわらず、家住期はその後の2つの段階より軽視されているというわけではない。家住期は社会構造の全体に統一と結束をもたらし、他の3つの段階はすべてのこの期間に依存していることからも、ある意味では人生の4時期の中心でもあるとみなされる。……この段階において、ヒンドゥー教とは結婚し活動的な生活をおくることになっている。──本書より
目次
●ヒンドゥー教の本質と発展
●インド社会の理想
●カースト制度
●ヴェーダ文化と教育
●「ウパニシャッド」と「バガヴァッド・ギーター」
●「ラーナーヤナ」「マハーバーラタ」「プラーナ」
●6派哲学
●バクティの系譜
●北インドの中世神秘主義
●バウルの系譜