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講談社現代新書

「欲望」と資本主義

終りなき拡張の論理

著:佐伯 啓思

紙版

内容紹介

資本主義の駆動力は何なのか。ゆたかさの果て、新たなフロンティアはどこに求められるのか。差異・距離が生み出す人間の「欲望」の観点から、エンドレスな拡張運動の文明論的、歴史的な意味を探る。(講談社現代新書)


豊かさの果てには何があるのか?

本書は冷戦期の終焉時に書かれた。
冷戦の終わりとは「資本主義の勝利」を意味するものであった。
社会主義という資本主義の「歯止め」がなくなったあと、資本主義はどこにいくのか?
こうした問題意識から「欲望」をキーワードに、
資本主義の文明論的・歴史的な意味を探る本書は生まれた。

本書が書かれてから、20余年、
幾度のバブル崩壊を経ながらも、
さらに拡張を続けようとするグローバル資本主義。

しかし昨今の不安定な動きを見ていると、
いま人類のやるべきことは、この拡張運動を延命させることではなく、
運動に歯止めをかけるなんらかの仕組みをつくることではないか?
本書はそのためのヒントを示し、
いま私たちが生きる世界を考える重要な視点を与える一冊。

目次

●資本主義という拡張運動
 過剰の処理としての資本主義
 「欲望」についての考察
●「外」へ向かう資本主義
 産業革命とは何だったのか
●「内」へ向かう資本主義
 20世紀アメリカが生みだした資本主義
●ナルシシズムの資本主義
 モノの意味の変容
 欲望のフロンティアのゆきづまり
●消費資本主義の病理
 「ネオフィリア」の資本主義

ISBN:9784061491502
出版社:講談社
判型:新書
ページ数:222ページ
定価:900円(本体)
発行年月日:1993年