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講談社現代新書

空と無我 仏教の言語観

著:定方 晟

紙版

内容紹介

「行くものは行かず」――ナーガールジュナの逆説(パラドックス)が示す、言語(ロゴス)の限界と可能性とは? シャープな論理展開で、〈空〉の思想と〈無我〉の実践に大胆にアプローチ。

イルカのジャンプ――言葉の海を越えて
有限や無限という言葉(あるいは概念)は、微分・積分のような高度な計算を可能にし、世界を支配する巨大な力を生み出した。しかし、それでもなお言葉はあくまでも道具であることを知らねばならない。それをもって世界を説明しようとしてはならない。仏教はそのことを教えるために無分別や無念無想などという言葉を使うのである。ひとは幼児期から言葉の海にひたって育つ。ひとが言葉の海を突きぬけるためには、イルカのようなジャンプが必要なのである。――本書より

目次

●われ思う、ゆえにわれあり
●無我と非我
●なにが輪廻するのか
●色――「肉体」から「物質」へ
●空と無のちがい
●デーヴァの尻とり問答
●なぜ「行くものは行かない」のか
●跳躍台としての言葉
●唯識思想の誤謬
●空思想は神秘主義にあらず
●無我の実践

ISBN:9784061489974
出版社:講談社
判型:新書
ページ数:204ページ
定価:700円(本体)
発行年月日:1990年