講談社現代新書
ミシェル・フーコー
主体の系譜学
著:内田 隆三
紙版
内容紹介
言葉を、狂気を、監獄を語る遠見の思想家フーコーの視線はどこに向けられたのか――資料集成(アルシーヴ)の奥、思考不能の空間へ。多様な言説(デイスワール)の分析を通し、遠望される非在の場。主体のない饒舌と沈黙が交差する深部をフォーカシングして見せる「陽気なポジティヴィズム」に迫る。
エピステーメーの歴史性――フーコーは問う。たとえば古典主義時代の文法、博物学、富の研究、あるいは近代の文献学、生物学、経済学において展開される思考や認識は、一体どのような実定的台座の上で可能となったのか。そこで知はどのような秩序の空間にしたがって構成されたのか。どのような歴史的アプリオリを下地として、どのような実定性の基盤において、諸観念が現れ、諸科学が構成され、経験が哲学的に反省され、合理性が形成されることができたのか、と。(中略)明らかにしなければならないのは、認識がそこに自分の実定性の根を下ろしている場である。
目次
●フーコーの望遠鏡
●変貌するエピステーメー
16世紀、ルネサンス
侍女たちのいる空間
「人間」の登場へ
●外の思考
私は構造主義者ではない
これはパイプではない
●権力と主体の問題
言葉の分析
主体化の装置
ISBN:9784061489899
。出版社:講談社
。判型:新書
。ページ数:212ページ
。定価:720円(本体)
。発行年月日:1990年03月。