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一投に賭ける 溝口和洋、最後の無頼派アスリート

著:上原 善広

紙版

内容紹介

「全身やり投げ男」。1989年、当時の世界記録からたった6センチ足らずの87メートル60を投げ、その後はWGP(世界グランプリ)シリーズを日本人で初めて転戦し、総合2位となった不世出のアスリート・溝口和洋。

■中学時代は将棋部。
■高校のインターハイではアフロパーマで出場。
■いつもタバコをふかし、酒も毎晩ボトル一本は軽い。
■朝方まで女を抱いた後、日本選手権に出て優勝。
■幻の世界新を投げたことがある。
■陸上投擲界で初めて、全国テレビCMに出演。
■根っからのマスコミ嫌いで、気に入らない新聞記者をグラウンドで見つけると追いまわして袋叩きにしたことがある。

 無頼な伝説にも事欠かず、まさに陸上界のスターであった。
 しかし、人気も体力も絶頂期にあり、来季のさらなる活躍を期待されていたにもかかわらず、90年からはパタッと国内外の試合に出なくなり、伝説だけが残った……。
 その男の真実が、25年の歳月を経て、いま初めて明らかとなる。
 
 プロとは? アスリートとは? 天才と秀才の差とは? 日本人選手が海外選手に勝つための方法とは? 
 大宅賞受賞作家の上原善広が18年間をかけて聞き取りを続けた、まさにライフワークと言える作品。18年間の関係から紡がれる、ノンフィクションとしては異例の一人称文体。

 泥臭い一人の漢の生き様から、スポーツ界が、社会が、昭和と平成の歴史が彩られていく。

目次

プロローグ

第一章 発端

第二章 確立

第三章 挫折

第四章 復活

第五章 参戦

第六章 引退

エピローグ
著者あとがき

著者略歴

著:上原 善広
(うえはら よしひろ)1973年大阪府生まれ。ノンフィクション作家。大阪体育大学卒業後、ノンフィクションの取材・執筆を始める。日本各地の被差別部落を訪ねた『日本の路地を旅する』で、2010年、第41回大宅壮一ノンフィクション賞受賞。2012年、「孤独なポピュリストの原点」(特集『「最も危険な政治家」橋下徹研究』、新潮45)で、第18回編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞大賞受賞。著書に『被差別の食卓』、『被差別のグルメ』、『私家版 差別語辞典』、『石の虚塔』、『差別と教育と私』などがある。

ISBN:9784041027431
出版社:KADOKAWA
判型:4-6
ページ数:244ページ
定価:1600円(本体)
発行年月日:2016年06月
発売日:2016年07月01日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:SHB