角川ホラー文庫
こめかみ草紙
著:平山 夢明
紙版
内容紹介
濃霧の湖の中、兄妹が乗るボートに近づく水音と、湖面から這い上がろうとする手。(「霧嫌い」)事故で視力を失った鍼灸師が見た、人型の影。その後自宅に立ち籠める異臭の正体とは。(「蛍火」)八百屋の軒先につながれた奇妙な猿に掴まれると、決まって家から死人が出る。ある日、猿が袖を掴んだ相手は……。(「予言猿」)心霊現象でも人間の狂気でもない、怪談実話の新境地を拓く。それはコメカミとコメカミの間に宿る、かつてない恐怖体験談。