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岩波現代文庫 社会311

不敗のドキュメンタリー

水俣を撮りつづけて

著:土本 典昭

紙版

内容紹介

『水俣―患者さんとその世界―』『不知火海』『医学としての水俣病』などで知られる土本典昭監督。現代の古典というべき作品群を生み出したその思想と仕事とは? 1960?70年代から2000年代に書かれた文章までを精選し、時代と格闘した希有の映画作家の全貌を、没後10年を機に問い直す。(解説=栗原彬)

目次

序にかえて 考えるための道具としての映画


Ⅰ 水俣に出会う
 水俣ノート
 記録映画作家の原罪
 映画と現実とのかかわりについて
 映画でなすべきことは何か
 『水俣の子は生きている』


Ⅱ 不敗のドキュメンタリーをめざして
 逆境のなかの記録
 プロセスのなかの〈作家〉として――映画『留学生チュア スイ リン』の記録
 ドキュメンタリー映画の制作現場における特にカメラマンとの関係について
 映画は生きものの仕事である


Ⅲ 時代を刻印する
 新聞と新聞紙のはざま――映画『原発切抜帖』のできるまで
 映画『偲ぶ・中野重治』をつくるまで
 小川紳介とはどんな男か
 時枝俊江・人と作品
 羽田澄子・その映画の独創と孤立
 丸木夫婦の剛きに打たれる――映画『水俣の図・物語』を作って


Ⅳ 映画の旅は続く
 記録映画と行動
 映画で出会った川本輝夫との三十年
 『みなまた日記――甦える魂を訪ねて』について


おわりにかえて 映画は若い運動である
解説 生きものとしての映画を求めて……………栗原 彬
土本典昭 フィルモグラフィー
土本典昭 略年譜

編集協力= 土本基子氏,小池征人氏

著者略歴

著:土本 典昭
土本典昭(つちもと のりあき)
一九二八―二〇〇八年.記録映画作家.岐阜県生まれ.岩波映画製作所を経て,一九六三年『ある機関助士』でデビュー.『ドキュメント 路上』『パルチザン前史』など意欲作を発表.一九六五年のテレビドキュメンタリー『水俣の子は生きている』ではじめて水俣に取り組み,一九七〇年代以降,一連の「水俣」シリーズを一七作発表.作品は各国の映画祭に招待されるなど高く評価されている.著書に『映画は生きものの仕事である―私論・ドキュメンタリー映画』『逆境のなかの記録』(ともに未來社),『ドキュメンタリーの海へ―記録映画作家・土本典昭との対話』(現代書館)など.

ISBN:9784006033118
出版社:岩波書店
判型:文庫
ページ数:352ページ
定価:1320円(本体)
発行年月日:2019年01月
発売日:2019年01月16日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:ATF