著者略歴
著:李 鋭
李 鋭(り えい/Lĭ Ruì)
1950年北京生まれ。文化大革命中に山西省呂梁山脈の寒村に下放し、定住。その体験をもとに土地に縛られつつ貧困と無知の中で生き、死んでいく農民群像を見つめた短篇集『厚い土』(1989年)で文壇に独自の地歩を築く。他に四川省の古き町を舞台に、中国の近現代史を俯瞰して中国社会の本質を見つめた長編『旧址』(1993年)、『銀城物語』(2002年)などを発表。作品は欧米で早くから翻訳されているが、日本では初めて紹介される。
訳:吉田 富夫
吉田富夫(よしだ とみお)
1935年広島県生まれ。63年京都大学大学院修了。佛教大学名誉教授。中国近現代文学専攻。著書に『反転する現代中国』『魯迅点景』(以上研文出版)、『中国現代文学史』(朋友書店)、編書に《原典中国現代史》第5巻『思想・文学』(岩波書店)、訳書に賈平凹『廃都』『土門』(以上中央公論新社)、葉広芩『貴門胤裔』(中央公論新社)、莫言『豊乳肥臀』(平凡社)『四十一炮』『転生夢現』『白檀の刑』『蛙鳴』(以上中央公論新社)などがある。