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岩波現代文庫 学術404

象徴天皇という物語

著:赤坂 憲雄

紙版

内容紹介

「象徴とは何か、象徴としての天皇とは何か……。この問いにたいして、だれをも納得させるだけの明確な答えは、どこにもない。」昭和から平成への代替わりを眼前にしながら、象徴天皇制に厳しく迫り、あらたなる天皇制論の地平を切り拓いた画期的な論考が、書き下ろしの章を加えて、平成の終わりに蘇る。天皇制論の基本となる一冊。

目次

序 章 神と人間のはざまに
 1 大義名分
 2 ただの人間




第一章 象 徴
 1 人間宣言
 2 精神的権威
 3 二重政体
 4 生きた象徴

第二章 全体意志
 1 象徴天皇制
 2 国民の総意
 3 生きた全体性
 4 象徴の歴史
 5 文化共同体

第三章 不親政
 1 本来の姿
 2 作為/自然
 3 自然状態
 4 空虚の中心

第四章 文化概念
 1 人間宣言
 2 和辻/三島
 3 没我の王制
 4 永久革命




第一章 村の祭り
 1 近代の大嘗祭
 2 大嘗祭と村の祭り
 3 稲の産屋
 4 草の根天皇制

第二章 天皇霊
 1 大嘗祭の本義
 2 大嘗/新嘗
 3 鎮魂と復活
 4 天孫降臨
 5 魂と稲
 6 寝座の秘儀

終 章 象徴の涯てに
 1 天皇という制度
 2 古代的権威
 3 近世・近代の復興
 4 天皇制の終焉

補 章 象徴天皇をめぐる祭祀のゆくえ
 1 象徴的行為としての旅
 2 秘め隠される天皇の祭祀
 3 没我の王権,または文化概念としての天皇
 4 大いなる残酷を抱いた制度として


参考文献
あとがき

ちくま学芸文庫版あとがき
岩波現代文庫版あとがき

著者略歴

著:赤坂 憲雄
赤坂憲雄(あかさか のりお)
1953年,東京都生まれ.東京大学文学部卒.学習院大学教授・福島県立博物館館長.東北学を提唱し,1999年に雑誌『東北学』を創刊.2007年『岡本太郎の見た日本』(岩波書店)でドゥマゴ文学賞・芸術選奨文部科学大臣賞受賞.『異人論序説』『排除の現象学』『王と天皇』(ちくま学芸文庫),『境界の発生』『結社と王権』『東北学/忘れられた東北』(講談社学術文庫),『東西/南北考』『武蔵野をよむ』(岩波新書),『遠野/物語考』(荒蝦夷),『震災考』(藤原書店),『性食考』(岩波書店)など著書多数.

ISBN:9784006004040
出版社:岩波書店
ページ数:272ページ
定価:1080円(本体)
発行年月日:2019年04月
発売日:2019年04月16日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JPH