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岩波現代文庫 学術400

ベンヤミン

破壊・収集・記憶

著:三島 憲一

紙版

内容紹介

20世紀前半のヨーロッパ激動の時代を生き、現代思想に大きな影響を与えた著書を数多く残したドイツの思想家ベンヤミン。ドイツ青年主義、ユダヤ神秘主義、シュルレアリスムなどを根底に持ち、右か左かという出来合いの選択を拒否した先進的でアクチュアルな思想と生涯に、長年フランクフルト学派を研究してきた著者が肉薄。

目次

まえがき

プロローグ――巨大な「否」

第一章 ベルリンの幼年時代
 1 豊かさの記憶/記憶のなかの豊かさ
 2 ユダヤ人としての運命

第二章 精神の反抗
 1 青年運動
 2 灼熱の炎としての精神――経験の拒否

第三章 言語と神学への沈潜
 1 言語神秘主義の継承
 2 ロマン主義とメシアニズム

第四章 法,神話,希望
 1 新しき天使――言語論の究極
 2 決断できぬ者たちのために

第五章 アレゴリーとメランコリー
 1 バロック論
 2 メランコリカーの旅

第六章 ベンヤミンの方法
 1 多様な交際――危険な関係?
 2 収集と引用
 3 破壊・中断・覚醒
 4 類似性と記憶

第七章 評論家ベンヤミン――ヴァイマールの坩堝のなかで
 1 壊滅的批評
 2 救済批評

第八章 亡命とパサージュ
 1 亡命と「研究所」
 2 パサージュ――十九世紀の根源の歴史
 3 アウラ
 4 歴史の天使

終わりに
ベンヤミン略年譜
岩波現代文庫版あとがき
人名索引

著者略歴

著:三島 憲一
三島憲一(みしま けんいち)
1942年東京生まれ.東京大学人文科学系大学院博士課程中退.専攻は社会哲学,ドイツ思想史.大阪大学教授,東京経済大学教授などを歴任.大阪大学名誉教授.著書に『ニーチェ』『戦後ドイツ』『現代ドイツ』(以上,岩波新書)『ニーチェ以後』『歴史意識の断層』『文化とレイシズム』(以上,岩波書店)ほか.訳書にハーバーマス『近代の哲学的ディスクルス』ベンヤミン『パサージュ論』(共訳,岩波書店)ほか多数.

ISBN:9784006004002
出版社:岩波書店
ページ数:544ページ
定価:1720円(本体)
発行年月日:2019年03月
発売日:2019年03月15日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB