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岩波現代文庫 学術347

〈物語と日本人の心〉コレクション IV 神話の心理学

現代人の生き方のヒント

著:河合 隼雄
著:河合 俊雄

紙版

目次

はじめに
第一章不安や孤独の原因
何とも誰ともつながらない
「私の木」を見つけた
「関係喪失の病」に苦しむ
無意識内に存在する「神話産生機能」
神々は気ままにふるまう
心の奥にオイディプスがいる
答えを見失ったまま
「自分を動かしているのは自分ではない」
第二章ことのはじまり
いつ自分の存在に気づいたか
天と地の分離によって
「光」の出現
日本のはじまり
新しい何かが生まれるまで
創造のきっかけ
「知りたがり」の代償
秘密を知る「火の神」
もっとも大切な「死の現実」
日本人の原罪
第三章「男と女」の深層
永遠の問題を二分法で考える
父性原理を決意表明
男は女の何に心を動かされるのか
女は太陽でもあるし、男にもなれる
「性」は支配できない
アマテラス的知恵
熱烈な愛のゆくえ
すれ違う男と女
処女神の怒り
「心」と「愛」が結びつく
第四章親子に横たわる葛藤
子ども心に深く響く
底知れぬ母・娘の一体感
女神の受難
「父の娘」に気づいて
古代オリエントの知恵
親子殺しに至るまで
母親と息子の間
偉大な英雄になった棄て子
待たれるヒルコの帰還
第五章生きた知恵
だまし、だまされて
異なる可能性が示される
スサノオのもうひとつの顔
心のなかに住むトリックスターの出番
動物が持つ「先達の知恵」
「猫神」の役目
熊のたましい
蛇は悪者なだけか
第六章無意識の真実
英雄神話の読み方
怪物退治と父親殺し
なぜ「親殺し」が語られるのか
結婚は何を意味するのか
オオクニヌシの結婚
「悪」という難問
殺人が語っていること
姦淫は何をもたらすのか
盗みと自立
真実を伝えるための嘘もある

解説 「神話の知」の再生をめざして 鎌田東二
コレクション 刊行によせて 河合俊雄

著者略歴

著:河合 隼雄
河合隼雄(かわい はやお)
1928年兵庫県生まれ.京都大学理学部卒業.1962年よりユング研究所に留学,ユング派分析家の資格取得.京都大学教授,国際日本文化研究センター所長,文化庁長官を歴任.2007年7月逝去.岩波書店より『河合隼雄著作集』(第一期,第二期)刊行.
著:河合 俊雄
河合俊雄(かわい としお)
1957年奈良県生まれ.京都大学教育学研究科博士課程中退.チューリッヒ大学(Ph.D.).ユング派分析家資格取得.現在,京都大学こころの未来研究センター教授.著書に『心理臨床の理論』『ユング魂の現実性』ほか.

ISBN:9784006003470
出版社:岩波書店
判型:文庫
ページ数:240ページ
定価:1000円(本体)
発行年月日:2016年12月
発売日:2016年12月19日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QRS